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「巨人・大勢(26歳)が思わず笑顔に…」20代ピッチャーに“新ダルビッシュ塾”が人気な理由「“一人一人違う”アドバイス」日本ハム北山が証言
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/02/21 11:00
楽天・藤平尚真(27歳)のピッチングを見守るダルビッシュ有アドバイザー(39歳)
だからこそ助言を求めてきた選手とコミュニケーションを重ね、客観的な指標であるデータも付き合わせながら一緒に考えていく。それが“ダルビッシュ流”だ。
「曲がらなくていい」で大勢が元気に
前日の17日には、ブルペンで16球投げ込んだ巨人の大勢投手(26歳)が、見守っていたダルビッシュにスライダーについての悩みを打ち明ける場面があった。
「自分はジャイロ回転(ボールの進んでいく方向と回転軸が一致する回転)していて、あまり曲がり幅が出ないと相談したんです」
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ダルビッシュの答えは意外なものだった。
「(大きく曲がる)スイーパーも、去年ぐらいはすごく流行ったけれど、最近は打たれ出しているというデータもある。曲がることがいいわけじゃないんだよ」
大勢のスライダーと似た数値の傾向を持つメジャーリーガーのデータを見せてもらい、MLB通算253セーブを挙げたクローザーのエドウィン・ディアス(ドジャース)のスライダーに似ていると言われたことも明かした。
「(巨人の小林)誠司さんとかに『曲がってないなー!』とかよく言われるんですけど、それが僕の良さなんだと改めて……確信に変わりました!」
チームの先輩捕手をいじりつつ笑いをとった大勢の胸の内から、小さな悩みはすでに吹き飛んでいた。ダルビッシュから客観的なデータと共にメジャー守護神の名前を挙げられ、「曲がらないことも長所」と背中を押されれば、勇気百倍。WBCの大一番で対峙するメジャーの大打者にも、自信を持ってスライダーを投げ込めるに違いない。
「3年前とここが変わった」
前回大会の2023年、ダルビッシュは選手としてメジャー組からただ一人、2月の宮崎合宿から参加して若い選手たちをまとめあげた。大舞台に向けて共に調整を進めるなか、自らのピッチングで手本を示して見せ、その技術を余すところなく伝えた。
あれから3年。「ダルビッシュ塾」の光景は同じだが、レジェンド右腕の立場は少し変わった。


