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「34歳はもうおじさん」青学大・原晋監督が説く“大迫傑超え”の必要性…教え子・黒田朝日と狙うマラソン「2時間3分台への確信」と日本陸上界への喝 

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涌井健策(Number編集部)

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui

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photograph by(L)JMPA、(R)Nanae Suzuki

posted2026/01/22 17:06

「34歳はもうおじさん」青学大・原晋監督が説く“大迫傑超え”の必要性…教え子・黒田朝日と狙うマラソン「2時間3分台への確信」と日本陸上界への喝<Number Web> photograph by (L)JMPA、(R)Nanae Suzuki

「マラソンで2時間3分台を狙う」という青学大の原晋監督と黒田朝日の師弟コンビ

 原監督の言葉の射程がさらに広がってくる。

「だからこそ、マラソンで世界に挑むために、盛り上がっている箱根駅伝をベースに強化するべきでしょう。箱根駅伝、そして実業団のニューイヤー駅伝を盛り上げていかないと、スポンサー離れも始まります。

 選手の所属企業も無くなり、それが無くなったらランナーの受け皿が無くなる。そうすると腰を据えた強化ができなくなるわけです。日本には、世界でも有数の駅伝というスポーツ文化があり、それを支えてくれる企業や大学があるわけですから、このコンテンツをいかに強固なものにしていくかという思想を指導者が持たないと、そもそも日本の長距離界が駄目になりますよ」

「金にならなければ野球やサッカーに…」原監督の危惧

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 背景にあるのは、陸上競技、中でも長距離種目が「子どもたちに選ばれる種目であって欲しい」という思いのようだ。

「ここで頑張らないと、身体能力の高い選手が、駅伝を選んでくれなくなりますよ。金にもならなければ、野球とかサッカーに行くに決まっているじゃないですか。そう思いませんか、皆さん?」

 メディアに同意を求めた上で、議論の矛先は日本陸連に向かう。

「この論理を、陸上界のみんなが、日本陸連がどう受け止めるか。日本選手権の10000m、次回は12月初旬に開催するんですよ!(補足:2026年12月5日に東京・世田谷で開催)これまでは八王子ロングディスタンスという素晴らしい大会が11月下旬にあって、そこにみんな実業団の選手が出ていたわけですから、その日程に合わせればよかったんですよ。12月上旬にピークを合わせたらニューイヤー駅伝には合わないじゃないですか。

 そうなったら駅伝がおろそかになってしまう。私が所属企業のオーナーだったら、日本選手権で頑張った自分のチームの選手が駅伝で後ろの方を走っていたら、『なんでこれだけのお金かけて駅伝チームを持たないといけないの』『もう辞めよう』ってなりますよ」

 これまではトヨタ自動車、富士通、旭化成などの大企業が実業団の世界の主役だった。

 ただ今年は原監督がアドバイザーを務め、多くの教え子を送り込んでいるGMOインターネットグループが初優勝を飾るなど、実業団駅伝の主役となる企業にも変化の兆しがある。GMOのように強力なオーナーシップを持ち、優勝報奨金1000万円を公表するような新しい企業群が主役になってくると、チームを維持するため、選手を支えるための理屈も変わってくる可能性があるだろう。

【次ページ】 「長距離界全体を駅伝と調和した形で…」

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