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「突然ポロポロ涙が出てきて…」阪神のリリーフエース・石井大智がいま明かす日本シリーズ痛恨の被弾“涙腺崩壊のワケ”…じつは「綱渡りの日々」だった
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2026/01/20 17:00
2025年のレギュラーシーズンでは防御率0.17の圧倒的成績を残した阪神の石井大智だが、日本シリーズで痛恨の被弾。本人がいま明かす“涙の真相”とは…(第1回)
「昨季はプロ5年目でした。まだ5年やっただけですけど、2025年が5年間でもっとも難しいシーズンだったのは間違いありません。体の状態もなかなか大変でしたし、2024年のデータを研究されていたからか、自分に対する相手チームの対策が今までと全然違っていたこともありました。そんな状況で、必死で考えて自分のパフォーマンスを削って、なんとか数字を残したつもりです」
口調はそのまま熱を帯びた。
「前年のデータがある。石井大智はどういう投手なのか、ある程度は把握された上で打席に立たれる。対策を練られている事実を踏まえた上で、表で行くのか、裏で行くのか。お金をたくさんもらっている身として、絶対に結果を出さないといけない。打たれたらチームが負けてしまうような場面、ゲームで投げさせてもらっている責任感もありました。だからこそ……」
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思いの丈を吐き出し終えると、右腕は落ち着いたトーンで話を本題に戻した。
「日本シリーズが終わったときは、もちろん打たれて悔しかったのもありましたけど、しんどい毎日がやっと終わったんだっていう気持ちがありました」
重圧からの解放――。
あの日の涙には、少なからず安堵の感情も入り交じっていたのである。
2025年に抱えていた「葛藤」とは…
涙のワケを聞けば聞くほど、2025年に石井が抱えていた苦悩の度合いが浮き彫りになってくる。
胸中をさらに深掘りしたくなった。
本能にふたをせざるを得ない場面も多々あったということだろうか?
核心に迫る質問をぶつけると、好青年は静かにうなずいた。
「自分の体の状態や感覚的なものを考えれば、これを投げたいだけれどリスクがあるから投げられない、みたいな。葛藤……めちゃくちゃありました」
