箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「同期はとにかく個性派揃い」青学大前主将・田中悠登の箱根駅伝優勝秘話「外出禁止提案でミーティング大荒れ」「手洗い徹底に川柳大会発案」
text by

佐藤俊Shun Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/01/08 11:02
2024年シーズンの4年生は強力なメンバー揃いであると同時に個性派揃いだった。田中さん(前列右端)はキャプテンとしてチームの一体感を高めるために様々な努力をしたという
そのひとつが体調管理の徹底であり、手洗い、うがいの奨励だった。小学校では洗面所に「手洗い、うがいをしましょう」という貼り紙がされ、意識付けがされている。田中さんは、さすがに大学生でそれはないと思い、意識を高めてもらうためにある案を考えた。
手洗いうがいテーマの川柳大会
「みんなに、手洗い、うがいをテーマにした川柳を考えてもらい、豪華景品を出して金賞を決めるみたいなことをしたんです。豪華景品といってもハーゲンダッツ1個なんですけど(笑)、みんなで出しあっていくと『おまえのその川柳なんやねん』みたいな感じで盛り上がって。
その後、洗い場からうがいの音がよく聞こえてくるようになりました。人を動かす、動いてもらうのは、こういう感じでやるのもいいな、楽しく理解してもらうという気持ちが大事だなというのを学ばせてもらいました」
ADVERTISEMENT
ちなみに金賞受賞作は、鳥井健太(2年)の「大手町 笑うためには 金(菌)取ろう」。田中審査委員長も「秀逸」と唸る出来だった。
外出禁止を話し合うミーティングが紛糾
だが、勝つために田中さんは、もうひとつ重い提案をした。
「外出禁止を提案しました。箱根はあるけど、彼らも大学生ですから、クリスマスなんかに彼女に会いたいとかあると思うんです。でも、100%の力を出すためには体調管理が欠かせないですし、そのために外出禁止にしたい。
ただ、これは自分だけで決めると反発が大きいし、それぞれが納得しないとできないと思ったので、学生ミーティングを開きました。俺はした方がいいと思うけど、みんなはどう思う? やるならいつからにする? という感じで話し合ったんです」
ミーティングは田中さんの予想通り、紛糾した。なぜ、必要なのか。そこまでしなくてもいいだろう。そんな声が上がり、田中さん自身も「どうなんだろう」と、これが本当に正しい判断なのか悩むこともあった。

