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「同期はとにかく個性派揃い」青学大前主将・田中悠登の箱根駅伝優勝秘話「外出禁止提案でミーティング大荒れ」「手洗い徹底に川柳大会発案」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/01/08 11:02
2024年シーズンの4年生は強力なメンバー揃いであると同時に個性派揃いだった。田中さん(前列右端)はキャプテンとしてチームの一体感を高めるために様々な努力をしたという
「自分たちが1年間、トレーニングしてきて積み上げてきたものは間違いない。そういう自信があったので、あとはそれを発揮できれば勝てると思っていました。でも、体調不良者が続出したり、インフルエンザで主力が抜けて負けてしまうと絶対に悔いが残ると思うんです。
ですから、外出禁止を理解してほしいということをみんなに伝えました。最終的に12月10日から外出禁止にすることになりました。みんなで決めたからこそ、全員で徹底して守ることができた。これができるのも青学の強さかなと思います」
ライバルの存在でまとまりが高まった
箱根に勝つという気持ちを行動に置き換えると、自分たちの自由を制限することにもなってしまう。だが、それすらいとわず勝利に執着する田中さんをはじめとする青学大は、ある意味常勝を義務づけられたプロの集団のようでもある。
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外出禁止まで徹底しなければ勝てないと感じたのは、出雲、全日本と2冠を達成し、箱根で3冠達成を狙いに来ていた国学院大の存在も大きかった。
「国学院大は、意識していました。キャプテンが平林(清澄)というのもあったので、やっぱり負けられないという気持ちが強かったです。駒澤大も強かったですし、ライバル校の存在があったので、自分たちもまとまることができたんだと思います」
田中さんは、4年生だけの学年ミーティングで、自分たちの代の熱量が下の学年に影響すると感じている、だからこそ勝ちたい気持ちを前面に出していこう、と伝えた。その熱に煽られるように、エントリ―メンバー16名以外の選手を含め、全員で最後までやり切るムードがチームに醸成されていった。
10区はもったいない、9区だな
箱根駅伝の区間配置、田中さんは9区に決まった。
「9区と言われたのは、本番の1週間前ぐらいです。怪我をしてギリギリ間に合った感じだったので、最初は走れても10区かなと思っていました。キャプテンとして10区を走り、ゴールテープを切って、新聞の一面を飾りたいなって思っていたんです(笑)。
でも、直前に調子がグーッと上がってきて。(原晋)監督に『10区はもったいないから、9区だな』と言われました。(エース区間の)2区の裏なので、タフなコースだなと思いましたね」

