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「9回無死から2ランスクイズ」甲子園史に残る逆転サヨナラ許した近江高“悲劇の捕手”のいま「時を戻してやり直せるなら?」返ってきた意外な答え

posted2025/12/30 11:09

 
「9回無死から2ランスクイズ」甲子園史に残る逆転サヨナラ許した近江高“悲劇の捕手”のいま「時を戻してやり直せるなら?」返ってきた意外な答え<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

悲劇のサヨナラ負けに涙を流す近江高・有馬

text by

佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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Hideki Sugiyama

〈甲子園の主役の現在地〉社会人の名門・ENEOSの司令塔を担う有馬諒捕手。近江高2年時の2018年夏の甲子園大会では、金足農業との準々決勝で2ランスクイズを許し“悲劇の主役”として高校野球ファンの心に刻まれた。ドラフトの指名漏れも経験し、試練を糧に切り拓いてきた道のりをNumberWebのインタビューに語った。〈全2回の前編/後編を読む〉

 ◆◆◆

 社会人野球2年目のシーズンを終えた有馬は、確かな手応えを感じながらも地道に自らの課題と向き合っている。

「今年は試合に出させていただくことが多かったのですが、後半になって少し成績を落としてしまった部分がある。まずは1年間を通してしっかり結果を出せる体を作っていく必要があると思っています」

積み重ねた「経験」と台湾で得た「刺激」

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 今シーズンは、主戦として多くの試合で先発マスクを被った。予選を勝ち抜き、西関東第1代表として都市対抗野球大会に出場。2回戦でJFE東日本に延長タイブレークの末敗れたが、JR西日本との初戦では3投手を好リードし、勝ち越し打を放つなど攻守で活躍した。

「去年は見ているだけだった大舞台でプレーさせてもらって、初戦をしっかり勝ち切れたことは大きな自信になりました。ただ、心に残っているのは勝った試合よりも負けた試合。今年は特に僅差で負けるケースが多かった。キャッチャーとして守りきれなかった、競り負けてしまったのはやはり、悔しかったです」

 11月には台湾で開催された「アジア・ウインター・ベースボールリーグ」にJABA選抜チームの一員として出場。アマ球界の若手有望選手たちとチームメートとして過ごすなかで、大いに刺激も受けた。

「いい選手と一緒に野球をして、色々な話を聞いて、アドバイスももらって沢山のことを仕入れてきました。この冬は試行錯誤しながらも色々なことに取り組んで、野球の技術につなげていきたいと思っています」

 さらなる飛躍へ、その表情は大志に満ち満ちている。

【次ページ】 「9回無死満塁から2ランスクイズ」悲劇の幕切れ

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