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「1年間ずっと苦しかった…」今永昇太カブス残留で迎える2026年は正念場〈侍ジャパン〉WBCで担う特別な役割と復活のカギを握る“2.5cmの狂い” 

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山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

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photograph byNaoya Sanuki

posted2025/12/28 11:04

「1年間ずっと苦しかった…」今永昇太カブス残留で迎える2026年は正念場〈侍ジャパン〉WBCで担う特別な役割と復活のカギを握る“2.5cmの狂い”<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

前回大会、アメリカとの決勝戦で先発したのは今永だった

大黒柱は右の山本、左の今永

 左右の違い、タイプの異なる投手を組み合わせ、相手打線のタイミングを狂わす作戦だ。大谷が投手として登板するかはまだ分からないが、侍ジャパンは完成度の高い投手力がチームの強みだ。

「日本にも先発で投げられる良い投手がいる。そうした投手をうまく組み合わせて、7回か8回くらいまでつなぎ、終盤の8回、9回は1イニングを任せられるリリーバーに託したい。終盤まで持ち込むために、少なくとも3人くらいの先発タイプをうまく使っていきたい」

 エースは言うまでもなくドジャースを世界一に導いた山本由伸だが、左の大黒柱は今永だ。負けられない1次ラウンドの序盤の試合、そして決勝ラウンドでの大勝負、と大事な試合の先発を任されることは確実だ。

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 そして井端監督のプランを効果的にするためにも今永の完全復調は絶対不可欠になる。今シーズンの終了時に、今永は危機感も露わにこんな言葉を口にしていた。

肌で感じたメジャー打者の集中力

「メジャーの選手って(ポストシーズン争いの)9月とか(ポストシーズンの)10月とか、目の色が違う。メジャーリーガーの本気にかなわなかったというのも、この9月、10月と感じている。それは学びですし、自分もこれを経験したので、あの時(集中力の高まった時)のメジャーリーガーに勝つためには何をしなきゃいけないか、というのを、考えなきゃいけない」

 歴戦のメジャー打者を日々、相手にするからこそ、肌で感じる恐怖。さらに短期決戦で凄みを増す集中力の高さも実感している。復調への鍵はストレートの質を改善し、通年でパフォーマンスを安定させること。そのためにまずはオフのトレーニングを進め、アームアングルを戻し、ストレートの伸びを取り戻すことに取り組む。

「正直、1年間ずっと苦しかった。何かを見つけようとしたんですけど、何も見つからないまま、終わった」

東京ドームで得ていた「手応え」

 反省のコメントでメジャー2年目のシーズンを終えた今永だが、実はその開幕当初“成功体験”があった。3月18日、開幕カードとなった東京シリーズのドジャース戦では4回ノーヒット、2三振。ホップ成分を示す「Induced Vertical Break(重力を換算しない場合の縦変化量)」は最大で22インチ(56cm)を記録した。

【次ページ】 「立ち向かっていこうと思います」

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