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「正直、通用しなくなってきている」カブス・今永昇太が直面したメジャー2年目の“異変”「別人にならなければ…」シーズン終了後真っ先に向かった場所

posted2025/12/28 11:03

 
「正直、通用しなくなってきている」カブス・今永昇太が直面したメジャー2年目の“異変”「別人にならなければ…」シーズン終了後真っ先に向かった場所<Number Web> photograph by Getty Images

1年契約でカブスに残留した今永の収穫と課題とは…

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山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

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 メジャー2年目のシーズンを終えたシカゴ・カブスの今永昇太投手。オフには1年契約でカブスに残留した左腕がこのオフに立ち向かうべき大きな課題とは何か。そして、日本代表入りが有力視される2026年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で担う重要な役割とは。MLB担当の山田結軌記者が綴った。〈全2回の前編/後編を読む〉

 ◆◆◆

 湧き上がる悔しさが、その行き先を変更させた。シーズン終了とともに、今永昇太が搭乗したフライトは、シカゴ発フロリダ行き。帰国するはずの日本とはまるで逆方向に向かった。目的はフロリダにある「クレッシー・スポーツ・パフォーマンス」という施設に向かうためだ。

「通用しなくなってきている」

 10月11日、所属するカブスはブルワーズに2勝3敗で地区シリーズ敗退を喫した。試合後の今永のコメントには覚悟が滲んでいた。

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「正直言って、通用しなくなってきている。それは紛れもない事実。これは体感ではなく、数字を見た事実。別人にならなければ、この世界で生き抜くには苦しいかもしれない」

 今永に危機感が襲っていた。メジャーで生き残るために、さらなるレベルアップは絶対的な条件だと、言葉に力を込めた。

 このオフシーズンはあるテーマを掲げて取り組んでいる。

「なぜストレート(直球)の球速が落ちたのか、そしてボールの質が落ちたのか」

 今永はメジャーで決してパワーピッチャーではない。それなのに、90マイル(145km)前後の直球にメジャーリーガーのバットは空を切り、ファウルを打たされる。ストライクゾーンの真ん中付近へ投じられる甘めのコースでも、同じことが起こる。なぜか。いわゆる「スピンの効いた伸びのある直球」を低いリリースポイントから投じることができるからだ。打者は、浮き上がってくるようなボールに錯覚する。それが、今永の特徴だ。

“急降下”はなぜ起こったのか?

 ちなみにメジャー1年目の2024年、今永の直球の平均球速91.7マイル(147.6km)は、メジャーリーガーの下位15%に位置していた。あえていうなら、今永の直球は遅い。それでも独特の球質があるからこそ、2024年は15勝3敗、防御率2.91の好成績を挙げ、サイ・ヤング賞投票で5位の得票を得た。

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