「スカウトに大苦戦」「正直、何をしたらいいのか」強豪の指揮を受け継ぐも全国高校駅伝で“ワースト記録”…佐久長聖高の名監督「黎明期の苦闘」 

ワースト記録からのスタート

　駿を起用できなかった影響が間違いなくあったと思います。彼が万全な状態で1区を走れていればトップ争いができていたはずですから。それが1区で24位スタートとなり、その後も思うように追い上げることができなかったんです。

2011年の全国高校駅伝は21位という厳しい結果に。写真はアンカーの山浦　©KYODO

　監督としての判断が甘かったですし、周囲に対して申し訳ない気持ちでした。周りからも叩かれましたし、タイム的にも順位的にも佐久長聖高校のワースト記録です。都大路の洗礼を浴びたかたちになりました。

　私自身もレース直後は本当にショックでしたけど、周囲に叩かれたからこそ、「絶対に見返してやる」という気持ちになれたんです。もしあの時に、1年目だから仕方ないよ、と優しく声をかけられたら踏ん張れなかったかもしれません。

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　就任1年目は厳しい結果になりましたが、そのなかで非常に役立ったのが、両角先生が残してくださったデータです。練習メニューは過去のものをベースに組み立てました。私自身も経験不足だったので、どういう流れでやっているのか、今ひとつ理解できていない部分もありました。選手たちも両角先生を慕って、両角先生の指導を受けてきた選手ばかりだったので、いきなり私のスタイルに変えてはいけないという気持ちもあったんです。

少しずつ改善した監督2年目

　監督2年目（12年）も同じような流れでやりました。1年目に良くなかったところを、少しずつ改善していくかたちです。それでも全国高校駅伝（1区臼田康一郎30位、2区保倉聡12位、3区成田元一17位、4区春日千速(ちはや)4位、5区酒井雅喜20位、6区中山智裕11位、7区髙森建吾2位）は2時間6分24秒の10位。前年から順位を伸ばしましたが、入賞には届きませんでした。

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