「スカウトに大苦戦」「正直、何をしたらいいのか」強豪の指揮を受け継ぐも全国高校駅伝で“ワースト記録”…佐久長聖高の名監督「黎明期の苦闘」 

　当時2年生だった髙森建吾を1区に予定していたんですけど、本番直前で脚に痛みが出て、チェンジせざるを得なくなったんです。結果的に髙森は7区を区間2位と好走しましたが、1区が30位スタートという苦しい戦いになりました。

　2年続けてエースを1区に起用できず、同じ失敗をしてしまったという反省しかありませんでした。ただ4区を区間4位と好走した春日千速、5区を担った酒井雅喜、7区の髙森ら2年生が良い経験を積むことができたので、私にとっては次につながるだろうという手応えがあったんです。1年目と比べたら明らかに収穫がありました。

2012年も1区に予定していたエースの髙森を、脚の痛みで7区に移さざるをえなかった　©KYODO

スカウティングに大苦戦

　私が監督に就任して、スカウティングもめちゃくちゃ変わりました。私が監督になった途端に有力選手が佐久長聖に入学しなくなったんです。中学校の先生方の立場を考えると、「両角先生であれば間違いない」という状況でしたけど、「高見澤で大丈夫か？」という感じだったと思います。実際にある中学校の先生にそう言われたこともありました。

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　しかも、全国高校駅伝は私が監督に就任した1年目が21位、2年目が10位。入賞すらできず、有力選手が来なくなるのは当然です。部員数も徐々に減っていきました。

　苦労する面は非常に大きかったんですけど、私が監督になっても協力してくださる先生方もいらっしゃり、後押ししていただきました。そこは両角先生からのつながりを感じた部分でもありますね。部員数は少なくなりましたが、核となる選手を送ってくださったのが救いでした。

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