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「フル稼働したらどこまでやれるのか」DeNA平良拳太郎の自分への“期待と危機感”…繰り返す故障離脱を来季こそ克服へ「ある取り組み」とは
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/12/08 11:00
健康で投げていれば先発として十分な働きを見せるが、毎年の故障離脱が課題の平良拳太郎。リリーフも経験した今季を経て、フル稼働への思いを語った
「ファームでもやったことがなかったので新鮮でしたね。準備とかタイミングとか知らないことがありすぎて楽しかった反面、やはり先発と比べリリーフ陣にかかるプレッシャーや緊張感は高いと感じました。あの大変さはやらなければわからなかったと思います。僕はいつもリリーフの方々に負担を掛けてしまうので、ブルペンに入ったことで自分のなかの気持ちの変化というのはありましたし、これまで以上に負担を掛けないピッチングを心掛けたいと思います」
30歳で迎える来季への決意
さて来シーズン、チーム事情はもちろん先発ローテを考えても、平良には同学年の東克樹とともにしっかりと地に足を着けてマウンドを守ることが求められる。
「本当、毎年4勝、5勝で別に悪くない防御率みたいな感じで、成績を見れば成長できていないなって思ってしまうんです。だから来年は一個飛び出したいし、これまでの倍の登板数やイニング数、勝ち星を挙げたい。フルシーズン投げ切ったときにどれぐらいの数字になるのか興味ありますし、成し遂げてみたいですね。
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これまでずっと同じところにいますし、それに先発陣では一番僕が年下みたいな時期も長かったのですが、今は(石田)裕太郎や竹田(祐)もいるんで、これまで以上に危機感をもってやらなければいけないと思っています」
プロ12年目を終え、平良も30歳になった。
「まだ走る力では投手陣では上の方ですし、衰えというのはまったく感じていません。けど、もう12年かあって感じですね。過ぎてみれば早いし、本当になにもしてないなあって」
そう言うと平良は苦笑を浮かべた。しかし次の瞬間、強いまなざしをぶつけてきた。
「来年はきちんとチャンスをモノにしたいと思いますし、やれると信じているので、絶対に乗り越えたい。オフは“1年やる力”という大きな課題があるので、これから開幕までの半年間があれば絶対に成長できるはずなので、一日一日を無駄にすることなく過ごしていきたいと思います」
1年間、絶対にやる——。
平良に足踏みしている時間はもうない。変幻自在に相手を翻弄するサイドスロー。シーズン中、その姿をコンスタントに見つづけていたい。

