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「フル稼働したらどこまでやれるのか」DeNA平良拳太郎の自分への“期待と危機感”…繰り返す故障離脱を来季こそ克服へ「ある取り組み」とは

posted2025/12/08 11:00

 
「フル稼働したらどこまでやれるのか」DeNA平良拳太郎の自分への“期待と危機感”…繰り返す故障離脱を来季こそ克服へ「ある取り組み」とは<Number Web> photograph by JIJI PRESS

健康で投げていれば先発として十分な働きを見せるが、毎年の故障離脱が課題の平良拳太郎。リリーフも経験した今季を経て、フル稼働への思いを語った

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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 この投手が1年間フル稼働したら、果たしてどれだけの数字を残すことができるのだろうか。チーム関係者はもちろん、きっと多くのファンが興味を持っているはずだ。もちろん、本人も言わずもがな。

 横浜DeNAベイスターズの先発投手である平良拳太郎は、憂いを帯びた表情で今シーズンを振り返る。

「今年は先発11試合で4勝しているので、ぱっと見、登板数に対しての成績は決して悪くはないとは思うんです。ただ、やっぱりイニング数(先発では54回)だったり、試合数を考えれば先発としては半分程度しかやれていない。もう少し稼働率を上げなければいけないですよね……」

なぜか毎年、途中離脱してしまう

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 近年の平良の課題は、フルシーズンをいかに戦うかにある。

 初めて開幕先発ローテーション入りした2020年以降、平良はトミー・ジョン(TJ)手術をしてリハビリ期間中だった2022年以外は、開幕にその名を連ねてきた。毎年、春先は上々のピッチングで頼りになるところを見せてきたが、シーズンが進むにつれ下降線を描き、怪我やコンディション不良で戦線離脱することがつづいていた。

 今年も3月30日の自身の開幕戦となる中日戦(横浜スタジアム)では5回無失点で初勝利を挙げると、その後もコンスタントに試合に投げつづけ、勝ち星は付かなかったがゲームをしっかりと作ることはできていた。

 しかし5月17日のヤクルト戦(神宮)、5回3失点でマウンドを降りると翌日登録抹消された。平良のコンディションを考慮し、中10日空けるのかと思っていたが、そのまま7月31日まで一軍登録されることはなかった。

 実はこのヤクルト戦で平良は右手首を痛めてしまっていた。骨挫傷のような症状だったという。ゆえにその後、ファーム生活が長くつづいてしまった。

「また、やってしまったなと……。毎年言っているのですが、やっぱり試合で使った体力をもう少し早く回復させなければいけない。キャパが足りないというか、開幕から1~2カ月しかもたないことが多いですし、投げつづけていくエンジンをもっと大きくしなければいけないなって」

 自分に問うように平良は言った。そこには悔しさともどかしさが滲んでいた。

【次ページ】 初夏が鬼門?「交流戦にあまり投げたことがない」

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#平良拳太郎
#横浜DeNAベイスターズ

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