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「フル稼働したらどこまでやれるのか」DeNA平良拳太郎の自分への“期待と危機感”…繰り返す故障離脱を来季こそ克服へ「ある取り組み」とは 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byJIJI PRESS

posted2025/12/08 11:00

「フル稼働したらどこまでやれるのか」DeNA平良拳太郎の自分への“期待と危機感”…繰り返す故障離脱を来季こそ克服へ「ある取り組み」とは<Number Web> photograph by JIJI PRESS

健康で投げていれば先発として十分な働きを見せるが、毎年の故障離脱が課題の平良拳太郎。リリーフも経験した今季を経て、フル稼働への思いを語った

初夏が鬼門?「交流戦にあまり投げたことがない」

 抹消の2週間後には投げられるようになってはいたが、いざ実戦登板となると調子はあまり上がらなかった。ファームにいた当時の自分を平良は振り返る。

「6月(22日)のヤクルト戦で、3回4失点しているんですけど、これまでを考えても、この時期に一番体が弱くなる状態になるんですよ。だから僕はこの時期に開催されている交流戦にもあまり投げたことはないんです」

 鬼門は初夏。今季でプロ12年目、平良は心情を赤裸々に吐露する。

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「春先いくら調子よくても、オールスターまでもたない。毎年の課題ではあるのですが、取り組んできたことが結果に出ていないということは、その取り組みが間違いなのかもしれない。もちろん自分のなかでいい変化があることは実感しているのですが、結果が出ないのであれば改善が必要かもしれません」

 少しだけ困惑した表情を見せる平良ではあるが、もしかしたらこれまで取り組んできた成果が日の目を見るのはこれからなのかもしれない。

 平良が稀有な部分は、シーズン中一度は怪我やコンディション不良で底を見るが、そのまま停滞することなく後半戦にかけ再浮上できることだ。もちろん1年間、高いレベルで戦いつづけるのが理想なことは間違いないが、苦しい状況から這い上がれるのは、かなりの胆力だと言える。

「オールスターブレイク前(7月16日)の楽天戦で投げたとき、最初はあまりよくないと思ったんですけど、だんだんと感覚を掴むことができたんです(5回、被安打3、失点1)。あることに取り組みだしてから、コンディションが整っていった感じです」

後半戦再浮上のきっかけとは

 その“あること”とは、昨年、腰椎椎間板ヘルニアを患った際に休止していたウェイト・トレーニングを再開したことだった。

「しばらくウェイトはやっていなかったんですけど、自分のなかで、体が動くわりにはボールがいかないなという感覚があって、そこで改めてウェイトを始めたら力感を出せるようになりました。また同時に呼吸法のエクササイズも始めて、それもハマった感覚がありますね」

 そう言うと、平良はしみじみとした様子でつづけた。

【次ページ】 一軍復帰と初めてのブルペン待機

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