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小笠原慎之介「メジャー1年目のリアル」移動は格安航空券とバス、足りない食事「日本のお菓子をみんなに分けて…」「それを覚悟で挑戦している」 

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山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

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posted2025/12/04 17:02

小笠原慎之介「メジャー1年目のリアル」移動は格安航空券とバス、足りない食事「日本のお菓子をみんなに分けて…」「それを覚悟で挑戦している」<Number Web> photograph by Getty Images

チームメートと仲睦まじくポーズをとる小笠原慎之介

自ら買い出し、お菓子を分け合って…

 野球以外でも、新しい環境に順応する努力をした。決して英語が流暢ではないが、あえて通訳に頼らず自らチームメートとスタッフの中に飛び込み、コミュニケーションを図った。知人が差し入れてくれた日本のお菓子は、選手同士で分け合った。マイナーでは、クラブハウスで提供される食事が物足りない場合は自ら買い出しにいき、球場スタッフの分も合わせて調達。仲間たちとカリフォルニア・ロールなどのSUSHIロールを食べて試合に向かった。

 苦しい時間が多かったが、メジャーで投げる喜びを味わったメジャー1年目。自分なりの手応えを得て、来季への希望を持ってシーズンを終えたが、その先で非情な宣告を受けた。10月29日、メジャー40人枠の契約を外れ、マイナー契約でナショナルズ傘下に所属することが発表された。身を置く世界の過酷さは、誰よりも痛感している。

「それを覚悟で挑戦している。厳しさは毎日、少しずつ減らしていけるように。課題をつぶしてやっていかないといけない。挑戦する心は僕が野球を辞めるまで持ち続けないといけない」

 周りをみれば、パワーピッチャーたちがいる。若く、潜在能力が桁違いの才能を持った選手たちがいる。自分がいきなり豪速球を投げられるようにならないことは百も承知している。再びメジャーの舞台に戻る、生き残るために米球界2年目に挑む。〈前編も公開中です〉

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「それでも投げるのが楽しい」中日左腕エースがメジャー挑戦→リリーフ転向で異例の3連投→マイナー契約宣告「日本で伝えられない」孤独な奮闘

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