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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
小笠原慎之介「メジャー1年目のリアル」移動は格安航空券とバス、足りない食事「日本のお菓子をみんなに分けて…」「それを覚悟で挑戦している」
posted2025/12/04 17:02
チームメートと仲睦まじくポーズをとる小笠原慎之介
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph by
Getty Images
ナショナルズでの1年目を終えた小笠原慎之介投手。マイナーとメジャーを行き来した波乱のシーズンはどのようなものだったのか。日本ではあまり伝えられなかった左腕の波乱万丈と現在を、MLB担当の山田結軌記者が綴った。〈全2回の後編/前編も公開中です〉
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豪華な食事、移動のチャーター機、球場へ向かうバスは警察がエスコートして渋滞なし、そして5つ星の高級ホテル……。これがメジャーリーガーの待遇だ。
一方でマイナーリーガーには正反対の環境が待っている。アスリートには栄養も量も不十分な食事や、長時間のバス移動、飛行機は民間の格安航空会社……。直行便で済む移動でも、運賃の安い乗り継ぎ便を利用することも多い。宿泊はビジネスホテルだ。
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まさに天国と地獄。それでも選手たちは、まばゆい光を浴びる日を夢見て汗を流し続ける。
天国と地獄を分ける「ベル」
メッツのホーム、シティー・フィールドの三塁側ベンチで練習前の小笠原慎之介をインタビューしていた時のことだった。
ブルペンとベンチを繋ぐ電話が、突然けたたましく「ブーーーーーッ!!!!」と鳴り響いた。球場スタッフが点検のために鳴らしたものだったが、その瞬間、小笠原がビクッと肩をすくめた。
「これを聞くとけっこうドキドキするんです。こわっ、てなるんです」
大きな電話の呼び出し音は、試合中の出番を告げる合図である。自分の登板機会を「怖い」と感じるというその言葉から、左腕の置かれている厳しい立場が痛いほど伝わってきた。

