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「決してメンタルは強い方ではないです」ドジャース・山本由伸が語った“緊張との向き合い方”「緊張する局面で毎回思うのは、丁寧な生活と…」

posted2026/02/04 06:00

 
「決してメンタルは強い方ではないです」ドジャース・山本由伸が語った“緊張との向き合い方”「緊張する局面で毎回思うのは、丁寧な生活と…」<Number Web> photograph by NIKE

都内で行なわれたトークショーで50分にわたり熱弁をふるったドジャースの山本由伸投手

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涌井健策(Number編集部)

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui

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 1月24日、NIKE原宿の前には早朝から多くの人が列をつくっており、店内には多くのテレビカメラが陣取っていた。ただならぬ雰囲気を感じたのか、代々木公園で走ってきたであろうランナーが「何かあるんですか?」と並ぶ人に声をかけている。

 彼ら、そして僕らはあるアスリートを待っていた。ドジャース・山本由伸だ。

 昨年、ワールドシリーズでMVPを獲得するなど大活躍。時の人となったが、このオフ、公開イベントやメディアへの露出はほとんどなかったためか(オリックス・バファローズの公式YouTubeでは元同僚たちと軽妙なトークを展開)、山本本人の声を聞きたいという潜在的な欲求はかなり大きかったようで、この日、NIKEが主催したトークショー「WINNER’S MIND」には一般のファンからも膨大な数の申し込みがあったという。

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 朝9時過ぎ、司会の杉谷拳士さんが主役を迎え入れ、質疑応答を含めて50分のトークショーが始まった。すでにWEB記事でその発言は断片的ではあるものの様々に紹介されているが、想像以上に深い内容も聞けたため、「(1)緊張との向き合い方」「(2)周囲の否定をどう受けとめるか」という2つに論点を絞って世界最高の投手のひとり、山本由伸の言葉を読み解きたい。

論点1:緊張との向き合い方

「2024年のポストシーズン、パドレスとのシリーズで2回投げているんですけど、その2試合目ですね」

 興味深い言葉は、時にシンプルな質問で引き出される。

 これはトークショーの中盤、杉谷さんが「一番緊張した試合は?」と問うたときに出てきた答えだ。てっきり昨年のワールドシリーズ第7戦でのリリーフ登板という答えが返ってくるかと思っていたので、意外性もあった。

「1回目の試合で、僕、3回投げて5点取られたんです。そこから5試合のうち3勝したら勝ち抜けの5戦目までもつれて、そこで先発(2回目)がまわってきた。シーズン中も故障で3カ月ぐらい抜けてたし、初戦で5点取られて負けてるし、もう『次やったらやばいぞ』っていう。その試合がやっぱ 一番緊張したというか、なんかこう怖さもあるというか……初めてマウンドに行くのが怖く感じましたね」

 メジャー初年度の山本は、途中約3カ月の負傷離脱を強いられ、レギュラーシーズンでは18試合に先発して、7勝2敗、防御率3.00という成績を残していた。メジャーへの順応を考えると及第点という見方もできるだろうが、本人はチーム内でいかに信頼を得るか、自らの本当の力をいかに証明するか、という観点からも「失敗できない試合」と位置づけていたのだろう。

 この試合での心境を隠すことなく、さらにこう語った。

「アドレナリンも出てますけど、やっぱり不安というか、ネガティブな気持ちも(ありました)。『打たれたらどうなるんだろう』って……はい」

山本由伸が解説「緊張には何種類かある」

 トークショーの前半でも、緊張についてこんなことを語っていた。

「僕もいろんな場面では投げてますけど、自己分析としては決してメンタル強い方ではないと思います」

 杉谷さんが「いやいやいや! メンタル強いでしょ」と全力否定するが、こう続けた。

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