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大谷翔平WBC出場へ「球団と選手の契約書に“出場禁止”の条項はない」侍ジャパンへ3つのハードル「ドジャース」「選手会」「代理人」それぞれの思惑
posted2025/11/23 11:04
前回大会では投手と打者の二刀流で活躍し日本を頂点へと導いた
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山田結軌Yuki Yamada
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Getty Images
来年3月のWBCに向け、日本代表「侍ジャパン」の代表選考が本格化している。一番の注目は、前回優勝の立役者でもあるドジャース・大谷翔平投手が再び日の丸のユニフォームに袖を通すのか、否か、だろう。大谷は「侍ジャパン」に加わるのか、それを可能にする段階は? 二刀流は可能なのか? MLB担当・山田結軌記者が解説する。〈全3回の2回目/つづきを読む〉
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大谷の「WBCに出たい」という意思が強く、コンディションにも問題がない場合、基本的に出場は可能だ。球団と選手が交わす契約書で「WBC出場禁止」の条項がないからだ。代理人事務所の関係者は、「一般的に選手と球団の契約に『WBCに出場できない』という条項は盛り込まない」と明かす。代理人の一人はこうも証言した。
「そのような条項を契約に入れることは認められていない。球団が選手の出場を止めることができるのは、ケガに関連する理由がある場合に限られる」
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球団はMLB機構の一部だ。MLBが全体利益としてスター選手のWBC出場を望むため、MLB組織の一つであるチームが選手のWBC不出場を契約で縛るわけにはいかない、というわけだ。
クリアしなければいけない「三段階のハードル」
大谷が再び侍ジャパンのユニフォームに袖を通すために、クリアしなければいけない事務的なハードルは三段階ある。
まずは「所属球団の許可」。次に「MLB選手会の承認」最後に「所属する代理人事務所の許可」。あくまで“話し合い”がベースになる。

