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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「日本のテレビは決して言わない」ブラジル人記者が日本代表11月連勝にズバリ本音「収穫はサノ」「ボリビアは平地だと南米最弱なのに」
posted2025/11/21 17:25
日本代表11月シリーズで躍動した佐野海舟。ただし全体的な試合内容について、日本通のブラジル人記者は手放しで賞賛することはなかった
text by

沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Kiichi Matsumoto
「あまり意欲が感じられない相手をホームに迎え、すんなり勝った。まるで、ワールドカップ(W杯)開幕直前に行なう壮行試合のようだった」
「相手が強いと良いプレーをするのに、あまり強くない相手とも歩調を合わせてしまう――もはやこれは、サムライブルーの伝統だね」
「とはいえ、収穫が全くなかったわけじゃない。右ウイングバックの堂安律と右MFの久保建英が良かったし、ボランチの佐野海舟と左CB鈴木淳之介はチーム内での序列を大きく上げた」
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日本は11月14日、世界ランキング72位のガーナを2−0で倒すと、18日、同76位のボリビアを3−0で下した。スコアだけ見れば、いずれも快勝。しかし、ブラジルメディアきっての日本通であるチアゴ・ボンテンポ記者は必ずしも満足していなかった。2試合が終わってから、率直に論評してもらった。〈全2回/第2回へ続く〉
先制点以降は技術的ミスを連発していた
――まず、ガーナ戦について。彼らは、すでにアフリカ予選を突破し、W杯出場を決めている。ただし、日本戦は数人の主力選手が欠けており、若手中心のメンバー構成。一方、日本の先発メンバーは10月14日のブラジル戦からGKを早川友基に、ボランチの鎌田大地を田中碧に替えただけだった。
「体調不良が伝えられていた鎌田の欠場は予想していたが、意外だったのは遠藤航と板倉滉が先発しなかったこと。それ以外は、予想通りだった。開始直後はガーナ選手の身体能力の高さに驚いた選手がいたようだけど、次第に慣れていった」
――その中で、幸先よく前半16分に先制点を奪いました。
「谷口彰悟と佐野が連係してボールを奪い、久保からのショートパスを受けた佐野がドリブルで前進すると、左サイドへグラウンダーで絶妙のラストパスを送り、南野拓実が右足でトラップしてからファーサイドへ蹴り込んでしっかり決めた。多くの選手が絡んで生まれた見事なゴールだった。しかしその後は運動量が少なく、技術的なミスを連発。プレーの強度も低かった」
堂安の2点目はW杯出場国なら…でも日本のテレビは
――後半15分、鈴木のパスカットから中村敬斗、上田綺世とつないで右サイドへ展開。久保からパスを受けた堂安がニアサイドへ蹴り込んだ。

