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「ミトマは“復帰間近”のはずが…」欠場1カ月半の真相…現地記者が見たブライトン三笘薫(28歳)ケガの裏側「じつは日本代表コーチが視察に来ていた」
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田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2025/11/16 17:29
9月27日のチェルシー戦から1カ月半、欠場が続く三笘薫(28歳)
ただ試合の1日前にクラブ公式サイトに掲載されたチームトレーニングの写真を確認してみると、そこに三笘の姿はなかった。ヒュルツェラー監督は「三笘はトレーニングしている」と明かしているものの、それが個別トレーニングなのか、試合形式を含むチーム練習を含むものなのかは明かしていない。少なくともクラブ番記者や公式サイトの情報を総合すると、三笘はまだ“全体練習”に復帰していないように見える。
また重傷でないようにも思える。10月26日に行われたマンチェスター・U対ブライトンの一戦を、日本代表コーチの名波浩氏が視察に訪れた。ヒュルツェラー監督によると、三笘のコンディションについて「双方のドクターチームが綿密に連絡を取り合っている」。視察に訪れたのだから、やはり怪我は重いものではなく、マンチェスター・U戦も出場できる可能性があったのだろう。
英国人記者「奇妙だった記者会見」
とはいえ、正直に言えば、筆者はヒュルツェラー監督の言葉をそのまま信じてはいない。もちろん参考にはしているが、「復帰は近い」と言ったからといって、それが即実戦復帰を意味するとは限らないと考えている。
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その理由のひとつが、チェルシー戦の数日後に行われた翌節ウォルバーハンプトン戦前の会見だ。
通常、監督は試合前の会見を「選手のコンディション」に関する説明から始める。
この流れはどの監督も同じで、誰が怪我を抱え、誰が出場微妙か、あるいは出られないのか――。冒頭でまず説明する。この部分はテレビ局も撮影しており、情報はすぐに世に出る。
少し奇妙だったのは、この怪我人説明のところで、ヒュルツェラー監督は三笘の怪我について一切触れなかったこと。
実は、チェルシー戦で三笘が負傷していたことを、試合や記者会見に来ているイギリス系メディアは誰も気がついていなかった。筆者は、地元紙アーガスのオーウェン記者に連絡したが、オーウェン記者を含む英国人記者は、やはり三笘が負傷していたことを知らなかったという。オーウェン記者は語る。
「三笘がチェルシー戦で足を引きずっていたとは知らなかった。だが、翌節のウォルバーハンプトン戦の会見の冒頭部分で、ヒュルツェラー監督は、三笘について何も言及しなかった。
そこでテレビ用のインタビューが終わったあと、私たち『ペン記者』の質疑応答で、『三笘が足を引きずっていたようだが、実際のところどうなのか』と聞いたんだ。すると監督は『それは事実。三笘は足首を打撲した』と認めた。しかも『チェルシー戦もプレーできたのだから軽いけが。毎日様子を見ている』とも話した。

