賛否「ソフトバンク、佐々木麟太郎1位指名でリスクはないのか？」NHK解説者が評価「ドラフトが最も成功した球団」「ドラフト戦略に異変があった球団」 

「今のホークスは、柳田（悠岐）以降の和製大砲が育っていないのが長年の課題。チームの将来を考えた時に、麟太郎くんのようなスケールの大きなホームランバッターは絶対に欲しい。王会長自身がホームランバッターですし、そういう選手を育てたいという思いは人一倍強いんです。城島（健司）CBOも同じ考えでしょうね。2000年代の松中、城島、井口、小久保が並んだような、強力な打線の中軸をもう一度作りたい。その中心に麟太郎くんを据えたいという、球団の明確なビジョンが見える」

　そこには今シーズン最後まで優勝、そして日本シリーズ出場権を争った日本ハムの存在も大きいという。

「今年のシーズンや、クライマックスシリーズを見ていても、日本ハムの、野村、清宮、水谷、万波。彼らが育ってきていて、2000年代のホークス打線のような雰囲気を醸し出している。打線づくりに関して、日本ハムには遅れを取ってる、と感じているんじゃないかな」

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　一方で、同じく1位で指名した横浜DeNAや、毎年大胆な指名で話題となる北海道日本ハムファイターズの動きについては、各球団の思惑が交錯した結果だと見ている。

スタンフォード大での佐々木麟太郎（一番手前）。184cm、113kgの体格が目立つ　©Getty Images

「DeNAの指名も驚いたよね。そして、入札の瞬間、日本ハムの新庄（剛志）監督が天を仰ぐようなリアクションをした。彼らもどこかの順位で指名するつもりだったんじゃないかな。どこも競合を避けて、麟太郎くんを上位で指名しないだろうと読んで、下位の方でこっそり指名しよう、と考えていたのかもしれない。まあ、ドラフト巧者の日本ハムのことだから、そういう面白いことを考えていた可能性はあるよね（笑）。各球団の駆け引きや情報戦の一端が見えたシーンだった」

「最もドラフトが成功した球団」

　では、今年のドラフトで最も巧みな戦略を見せたのはどの球団だったのか。武田氏が「一番じゃないかな」と即答したのは、今年のセ・リーグ覇者・阪神タイガースだ。

「すごく良いドラフトだったと思います。今の阪神はピッチャーが豊富に揃っているから、焦って投手を獲りに行く必要がない。その中で、将来を見据えて、野手を重点的に指名できたのは非常に大きい」

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