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「背中のニキビを食べたことに報酬を払った」大谷翔平ポストシーズンの裏側で…“聖人・トラウト”は虚像だったのか? 元MVPが裁判で語った「驚きの証言」
posted2025/10/28 06:00
6年前に亡くなったチームメイトに関する訴訟で証言台に立ったエンゼルスのマイク・トラウト。「球団の顔」からは衝撃の証言が
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一野洋Hiroshi Ichino
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Getty Images
オールスター選出11回を誇るロサンゼルス・エンゼルスの顔、マイク・トラウトが法廷に立った。
それは、6年前の夏に亡くなったチームメイト、タイラー・スカッグスの死をめぐる裁判だった。2019年7月、遠征先のテキサス州のホテルで、スカッグスは意識不明の状態で発見され、そのまま帰らぬ人となった。享年27。死因は窒息死。
検視の結果、体内からアルコールに加えてフェンタニルやオキシコドンといった医療用麻薬が検出された。現在、遺族はエンゼルスに対し「球団が薬物使用を見過ごした」として1億1800万ドル(約180億円)の賠償を求めている。
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すでに当時の球団広報、エリック・ケイはスカッグスに薬物を供与した罪で禁錮22年の刑に服している。その訴訟の証人として、トラウトが呼ばれたのだ。
法廷でトラウトは、スカッグスと過ごした日々を振り返りながら、時折、声を詰まらせた。
「彼を兄弟のように愛していた」
AP通信がそう報じたように、2人は2009年のドラフト同期。長くロッカールームをともにし、家族ぐるみの交流もあったという。トラウトは「彼が薬物を使っているなんて思ったことは一度もなかった」と証言した。『ESPN』によれば、トラウトはスカッグスの死の前夜、ホテルのエレベーターで最後に彼と会っていた。その翌朝、チームミーティングで訃報を聞き「あの時、涙が止まらなかった」と話したという。
法廷で注目を集めた「ある文化」への証言
しかし今回の法廷証言で注目を集めたのは、スカッグス個人に関する話以上に、エンゼルス球団内に蔓延していた“ある文化”に関する部分だった。
『The Athletic』によれば、トラウトは「クラブハウスでの“悪ふざけ”に金が絡む異様な雰囲気があった」と証言したという。

