「じつはフリーマンも苦しんだ」ドジャース大谷翔平“打撃不振の真相”を敏腕コーチが明かす「フリー打撃の効果もあったかもね」突然の大爆発は必然だった 

　第3戦の前日、ショウヘイが屋外で打撃練習を行ったことも大きなニュースになった。彼は単にグラウンドで打ちたいって言ったんだ。特別な理由があったわけじゃない。スイングの感覚を確認したり、少し動いて、捕手の前で打ったりしただけ。誰かに言われてやったわけじゃなくて、自分から“ちょっと動きたい”って言ってきたんだ。

　ショウヘイはフィールドでのフリー打撃（BP）はシーズンを通じて一度もやらなかった。キャッチボールや投手としてのドリルはこなすけど、フィールドでのBPはしない。よりコントロールされた環境で、自分のやるべきことに集中できるケージ（室内）での練習を好む。

　それがあの日は単に背景を変えたかっただけだと思う。打撃の背景、景色を変えてみたかった。選手はみんなそれぞれのルーティンに慣れているけど、ときにはそれを変えたくなるもの。ショウヘイはずっとケージで打ってきたから、ちょっと変えてみたかったんだろう。

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　あの日のフリー打撃では最初の2ラウンドでは少しタイミングが早かったけど、それも背景の違いのせい。すぐに順応し、最後の3ラウンドの打撃の内容は良かった。はっきりとはわからないけれど、そうやって環境を変えてみたこともいい方向に運んだのかもしれないね。

初回に放った大谷翔平のホームラン。投手として先頭打者本塁打を放ったのはレギュラーシーズン、ポストシーズン問わず、MLB史上初めてのことだった　©︎Keith Birmingham/MediaNews Group/Pasadena Star-News via Getty Images

　このようにショウヘイがやることは、何から何まで大きく取り上げられる。もう慣れたよ。彼レベルの選手なら当然だし、その注目は正当なものだと思う。だから驚きはない。彼は唯一無二の存在だからね。

ワールドシリーズまで1週間空く

　私たちのLCSが早く終わったことで、ワールドシリーズ開始まで1週間が空き、その間もショウヘイはさまざまな形で注目されるに違いない。この間隔がプレーに悪影響を及ぼす場合もあるが、私たちは（ナ・リーグの第1シードを獲得した）昨季も地区シリーズまでに多少のブランクを経験した。こういった状況で必要なのは、やるべきことをやって、日々の仕事をちゃんとこなすこと。それが一番大事。うちには経験豊富なベテランが多いし、自分の身体のケアやスイングを保つ方法をわかっている。だから、選手たちとコミュニケーションをとり続けて、鋭さを保ったまま試合に入れるようにするだけだ。

©︎Keith Birmingham/MediaNews Group/Pasadena Star-News via Getty Images

　ショウヘイに関してもまったく心配はしていないよ。そもそも、（不調と言われている間も）彼のことを懸念はしてなかった。だからNLCS第4戦であれだけの仕事をやってのけた今、なおさら心配はいらないだろう？　ショウヘイは最高だよ。