メジャーリーグPRESSBACK NUMBER

「じつはフリーマンも苦しんだ」ドジャース大谷翔平“打撃不振の真相”を敏腕コーチが明かす「フリー打撃の効果もあったかもね」突然の大爆発は必然だった 

text by

杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

PROFILE

photograph bySean M.Haffey/Getty Images

posted2025/10/21 11:05

「じつはフリーマンも苦しんだ」ドジャース大谷翔平“打撃不振の真相”を敏腕コーチが明かす「フリー打撃の効果もあったかもね」突然の大爆発は必然だった<Number Web> photograph by Sean M.Haffey/Getty Images

MLBの歴史に残るパフォーマンスでドジャースをリーグ優勝に導いた大谷翔平

 ポストシーズンでいい打撃をするためのポイントは、しっかりと準備し、感覚を研ぎ澄ませ、相手投手が少しでもミスをしてくれたら、それを逃さず仕留めることだと思う。どの投手も綿密なゲームプランを立てていて、みんなレベルが高い。だから、打つ際の集中力を研ぎ澄ませて、スイングの感覚を鋭くして、ほんのわずかなミスを見逃さないことが大事になるんだ。

 ただ、フィリーズの投手たちほどのレベルの面々と続けて対戦するのはそうあることじゃない。短期決戦だから相手は全力でぶつかってくる。調整する時間も少ないから、余計に厳しかった。そういう要素が重なると、打者の方は調子が悪く見えるものだ。左打者にとっては特に難しいシリーズだったと思うし、ドジャースではフレディ(・フリーマン)も苦しんでいた。そういった背景があったから、結果が出なくても、ショウヘイの打撃の調子を深刻に心配したわけではなかった。

先発したことがメンタルの解放につながった?

 先発登板時のショウヘイは打撃が淡白になる、といった話も出てきた。実際に打席でよりアグレッシブになるのは事実だと思う。彼は先発登板の日はピッチングにものすごく集中している。“早打ちしよう”っていう意識があるわけじゃなくて、単純にその日の最優先事項がピッチングになるんだ。打撃のほうは少し結果にバラつきが出る。

ADVERTISEMENT

 ショウヘイはいつだって真剣に取り組んでいるし、努力もしている。要するに意識の優先順位の問題で、投打両方を同時にやるっていうのはそれだけ難しいことなんだ。しかも先ほども言った通り、相手がトップクラスの投手ばかりであればなおさらだ。

 ただ、ここで指摘しておくと、ブルワーズとのNLCS第4戦に限って言えば、先発投手を務めたことが打撃に幸いに働いたんじゃないかと私は見ている。ピッチングをすることで、打撃のことを余計に考えすぎずに済んだんじゃないかな。メカニカル的にもいい位置にいたし、打席ではアスリートとして自然に動けていた。ピッチングに集中したことで、ショウヘイはメンタル的にも解き放たれ、自由にプレーできたんだと思う。

【次ページ】 フリー打撃を志願「今シーズン初めてのこと」

BACK 1 2 3 NEXT
#ロサンゼルス・ドジャース
#大谷翔平
#デーブ・ロバーツ
#アーロン・ベイツ

MLBの前後の記事

ページトップ