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「おかしな2人だ」ドジャース山本由伸27歳とスネル32歳の“親密な関係”、米メディアが報じた「2人は朝食を一緒に食べる仲」捕手スミスは「2人が味方で良かった」
posted2025/10/17 17:50
ドジャースのブレイク・スネル(32歳)と山本由伸(27歳)。2人の仲の良さがアメリカメディアでも話題になっている
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph by
JIJI PRESS
飛行機の中で微笑むふたり。
ドジャースのブレイク・スネルと、山本由伸。仲の良さが写真から伝わってくる。
レギュラーシーズンで6戦全敗、苦戦が予想されたミルウォーキー・ブリュワーズとのリーグチャンピオンシップシリーズ第1戦で、スネルは8回1安打無失点。第2戦では山本が1失点の完投勝利。シリーズの優位を決定づける圧巻の投球だった。
「2人は朝食を一緒に食べて…」
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Odd Couple. おかしな二人。
「ジ・アスレティック」のファビアン・アルダヤ記者は、スネルと山本のことをそう表現した。
スネルは長身で腕、足が長く、山本は小柄で華奢。ふたりが漫才コンビを組んだとしたら、凸凹があって、なかなか絵になりそうだ。
このふたりの交流は、スプリングトレーニングの時点まで遡る。スネルと山本は「朝食会」を毎日開くことになった。どうやら、ドジャースに移籍してきたスネルの方が熱心に誘って、ピッチングについて話し合うことになったようだ。2018年、2023年とサイ・ヤング賞を2度も受賞しているスネルにとってさえ、日本出身の山本から学ぶことがあると感じたからだろう。
サイ・ヤング賞受賞者と、沢村賞の受賞者が投球について語り合うのだから、世界最高峰の投球議論だ。山本は通訳を通して、こう話している。
「スプリングトレーニングから始まり、シーズンを通して、自分が登板した後はスネルと一緒にレビューしています。彼が試合を通して僕のピッチングをどう見たのか、感じたことを話してくれるんです」
アルダヤ記者によれば、ふたりには言葉の壁は存在しているというが、時に通訳を介して相手打者について意見を交わす。山本はアメリカでの生活も2年目を迎え、英語はかなり上達しているようだ。
スネル66.9%vs山本72.9%
スネルは、レギュラーシーズンの大半を故障者リストで過ごすことになったが、こうした形でチームに貢献していたのだ。非番の先発投手陣がベンチに入らない日本とは大きく違うところだ(トレバー・バウアーも指摘していた。「お互いの投球から学べることがあるんだ」)。

