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「佐々木朗希のスピードが出ない」「トライネン、正直変わってない」NHK現地解説者が見たドジャース“薄氷”勝利に「球種の少ない投手問題」 

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小早川毅彦

小早川毅彦Takehiko Kobayakawa

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posted2025/10/16 19:45

「佐々木朗希のスピードが出ない」「トライネン、正直変わってない」NHK現地解説者が見たドジャース“薄氷”勝利に「球種の少ない投手問題」<Number Web> photograph by Getty Images

強敵ブルワーズに連勝を飾ったものの、リリーフに回って初めて不本意な投球になってしまった佐々木を小早川氏はどう見たのか

 リリーフに回ってから一番の試練というべき日になってしまいましたが、私がこの日気になったのはやはり、球速がやや落ちていたことです。最高でも160キロに届かず、カウントを取りに行こうとすると155~156キロぐらいになっていました。二塁打を打たれたボールもそれくらいの直球でしたね。

フォークも制球が定まらなかった

 佐々木投手の本来のアウトの取り方は、ロッテ時代の完全試合で19三振を奪ったように、圧倒的な直球とフォークボールでどんどん三振を取るというものです。しかしメジャーの打者はこれくらいの球速だとなかなか三振してくれません。たとえばマメとか、どこか気になるところがあったのか、投げ方の問題なのか、疲れが出ていたのか。何か原因があるのでしょうが、スピードが出ないのでスプリットというかフォークボール頼みになっていました。

 ところがそのフォークも制球が定まらない。ウィル・スミス捕手としても何を投げさせるかちょっと難しい、という状況に追い込まれてしまいました。ただ、2死一、三塁で交代とはなったものの、球数はまだ22球。私としては、同点にされるまでは続投させてほしかった気もしましたが。

トライネンのデッドボール論争

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 代わって登場したのが、前々回のフィリーズ戦の登板でも不安定だったブレイク・トライネン投手でした。四球を出して満塁としてから、ブライス・テュラング選手を空振り三振させて首尾よく抑えることができました。が……私も放送で「本日のポイント」としてこのシーンを指摘しましたが、最後にスイングしてくれたのは明らかなボール球。率直に言ってしまうと、トライネン投手の出来はここのところ何回かの登板とあまり変わっていませんでしたね。

 直球は高めに浮きますし、決め球のスライダーの制球が定まらなくて見極められてしまいます。実はテュラング選手、最後にボール球を空振りしたこともそうなんですが、その前のカウントで大きく内角に外れてきたスライダーをよけたことがアメリカで話題になっているんですよ。「あれ、黙って立って当たっていればデッドボールで同点だったじゃないか」と。そこがテレビで面白おかしく議論になるところが、アメリカらしいなあと思いますが。

【次ページ】 球種が少ない投手の宿命

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