大谷翔平の舞台裏:ドジャース異聞BACK NUMBER
ロバーツ監督「ロウキは感情を出すようになった」なぜ佐々木朗希23歳の評価が“激変”した? じつは“かなり辛口”だった指揮官と佐々木がハグするまで
posted2025/10/15 06:00
ドジャース入団1年目、ロバーツ監督の佐々木朗希評はどう変化したか?
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斎藤庸裕Nobuhiro Saito
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AFLO
右肩のインピンジメント症候群から復帰し、守護神としてドジャースの重要なピースとなっている佐々木朗希。レギュラーシーズン中には、ロバーツ監督から厳しい声も上がっていた23歳は、いかに信頼を勝ち取ったのか? 現地で取材を続ける斎藤庸裕氏が、番外編として“佐々木朗希の舞台裏”を解説する。
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ドジャース佐々木朗希投手(23)が、本来の力を発揮し、信頼を勝ち得た。シーズン終盤の9月24日、初の中継ぎ登板でメジャー復帰。球速100マイル(約161キロ)を連発し、圧倒的な投球を見せると、これがポストシーズンでの大活躍につながった。地区シリーズではクローザーとして起用され、登板3試合で完璧リリーフ。MVP級のパフォーマンスを披露した。
「ロウキはとても控えめでシャイな選手だが…」
10月9日、フィリーズとの地区シリーズ第4戦で3イニングをパーフェクト投球。リーグ優勝決定シリーズ進出の立役者となった。試合後のシャンパンファイトで「ロウキに乾杯」と音頭をとったデーブ・ロバーツ監督(53)は、会見で佐々木を大絶賛した。
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「私が記憶している限りでも、史上最高のリリーフ登板のひとつだった。彼の成長ぶり、チームへの貢献度について、言葉を尽くしても足りない。今、私たちは彼の特別な才能が開花していくのを目の当たりにしている。これ以上ないくらい、誇りに思う」
プレーぶりだけではない。内面の成長にも賛辞を送った。開幕から先発で起用していた頃と別人のような気迫と自信がある。「ロウキはとても控えめでシャイな選手だが、復帰してからは、本来の自分を少しずつ出すようになった。感情も表に出すようになってきたし、チームメートもそれを喜んでいる。忍耐力もあり、まさに彼の成長と成熟を示している」と高く評価したロバーツ監督だが、シーズン中の佐々木への見方は明らかに違った。

