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原晋監督は思わずボヤき「今日の点数? 0点よ」出雲駅伝“まさかの7位”青学大の大誤算…優勝候補・中大も衝撃の10位に「夏に何をやってきたんだと」
posted2025/10/14 17:00
悪い流れの中でも最長区間のアンカーで区間賞を獲得した青学大の黒田朝日。5区で区間賞の塩出翔太とともに4年生は意地を見せた
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph by
Yuki Suenaga
青山学院・原晋監督は始まったばかりの朝のドラマにひっかけて、まずはボヤいた。
「“ばけばけ大作戦”、不発だったなぁ」
学生駅伝の初戦、出雲駅伝で7位。あまりテレビに映らない青学を見たのは、久しぶりのことである。
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「今日の点数? 0点よ。あ、でも4区の神邑(亮佑・1年)が使えるメドが立ったから20点はやってもいいかな。それにしても……ねえ」
レース後、今後の青山学院の主力になると期待されている2区の折田壮太、3区の飯田翔大(ともに2年、ともに区間10位)に向かって、
「駅伝力がなさすぎるよ。競り合いのなかで粘れんようじゃ……ねえ」
と学生に対しても監督はボヤく。
期待の下級生エースが「まさかの失速」
今回、流れを失ったのが折田だったことが青山学院としては痛い。折田は須磨学園時代から世代トップと見なされ、高3の全国高校駅伝の「花の1区」では区間賞を獲得。青学入学後、昨年度の駅伝では全日本の3区を走った一本だけだったが、今年の夏は合宿でのメニューを100%こなし、準備は万端のはずだった。
ところが……。失速した。
関係者によれば、「合宿の練習は出来ていましたけど、疲労が抜けてなかったかな。まだ、2年生で体力が十分に備わっていないんだと思います」という見立ても聞かれた。原監督は「今回の出雲の授業料は高くついた」と話す。
「折田、飯田ともに化け損ねたわけだけど、これを糧に成長してくれないと困ります。でも、やってくれるはずです。こういう展開になると、レースの中で浮上するのは難しいんです。厳しい状況で5区の塩出(翔太)、そしてアンカーの黒田朝日が区間賞を取れたのは大きいね。われわれの練習計画が間違ってないことを証明してくれているわけだから」

