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「直近1敗2分、W杯なら敗退だ。しかし」日本代表vsブラジル…トルシエ元監督がズバリ展望「未熟でナイーブなまま」U-20W杯敗退には苦言
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田村修一Shuichi Tamura
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2025/10/14 17:19
2022年に行われたブラジル戦は0-1に終わった。3年を経ての再戦で、日本代表はどこまで肉薄できるか
そして森保一監督の哲学を遵守し続ける。つまり高い位置からプレスをかけ、それができなかったときにはブロックを下げて忍耐強く守る。だが相手がブラジルとなると、なかなか思うようにはプレーができない。だからこそ躊躇することなく前線からプレスをかけることを試みる。彼らのプレー構築をできるだけ妨げるために。そして自分たちのプレー構築では、うまくバランスを保ちボールを奪ってからスムーズにトランジションに移行することだ。
日本には失うものは何もなく、ブラジルは絶対的な自信に溢れている。彼らは韓国を5対0で破った。日本の選手は高いモチベーションでブラジル戦に臨む。失うものはないのだから当然だが、同時にスマートな戦略で臨まねばならない」
90分間プレスをかけるようにすることだ
――高い位置からのプレスを90分間続けるべきですか。
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「その通りで、選手交代は何人まで可能なのか?」
――6人です。
「6人の交代枠をフルに活用して、90分間プレスをかけるようにすることだ。ブラジルと戦うときには、恐らくそれが最も効果的で彼らが嫌がるやり方だ」
――なるほど。よくわかりました。それでは別の質問ですが、この森保ジャパンとフランスU-20代表と戦ったU-20日本代表とでは、成熟の度合いで大きな違いがありますか。
「U-20W杯のフランス戦は、日本の人々には大きなフラストレーションが溜まる試合だった。ただ日本はポゼッションで支配したわけではなく、そこはほぼ互角だった。もしかしたらフランスが少し上回っていたかも知れない。
だがフランスは、ボールの保持が効果的な攻撃に結びつかなかった。それに対して日本のボール保持は、縦の深さがあり効果的でもあった。その結果日本は、幾度となくゴールチャンスを作り出した。少なくとも1点か2点、3点取っていてもおかしくはなかった。ゴール前でのプレーで成熟を欠いたものの、日本は自分たちの哲学を存分に誇示した。スピード豊かなプレーで、4人・5人・6人の選手が加わってボールを運ぶ。しかしゴールは奪えなかった」
残念なのは、日本はまだナイーブなままだったことだ
――何がいけなかったのでしょうか。

