「直近1敗2分、W杯なら敗退だ。しかし」日本代表vsブラジル…トルシエ元監督がズバリ展望「未熟でナイーブなまま」U-20W杯敗退には苦言

　フィリップ・トルシエインタビューの後編である（全2回／第1回からつづく）。

　日本が9月に対戦したメキシコとアメリカ、そして先日戦ったパラグアイは、W杯アジア予選で相対したアジア諸国とはレベルもタイプも違うチームだった。その相手に日本は、1敗2分と1勝も挙げられていない。アジア最強と自他ともに認める日本の現実であると言えるかもしれない。

　ブラジルはさらに違う。世界最強グループの一角を常に占め、今日こそ6位（9月18日現在）に甘んじているものの、長きにわたりFIFAランキング1位を維持してきたチームである。実際、日本対パラグアイ戦の同日に対戦した韓国は、圧倒的な力の差で0対5と粉砕された。

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　そのブラジル相手に、日本はどんな戦いを挑めばいいのか。

　そして日本がチャンスの数で圧倒的に上回りながら、延長後半にPKを献上し、劇的な敗北を喫したU-20W杯ラウンド16のフランス戦を、トルシエはどう分析したのか。トルシエが語った。

内容的にも興味深い。結果だけから判断すべきではない

――W杯予選で戦ったアジア各国と、南米勢では公式戦と親善試合という違いはあれど、レベルの差があるのは確かです。

「だからより効率的にプレーする必要があるし、規律や厳しさも高いレベルが求められる。日本の最初の失点は、裏へのパスへの対策を誤ったからだった。3バックの作ったラインが適切ではなく、渡辺剛が判断ミスを犯した。そこは修正すべき点だ。それからデュエルに関しても改善が必要で、2失点目は集中力と厳格さの欠如から生じた」

森保監督の指示を仰ぐ渡辺剛　©Kiichi Matsumoto

――後半は前半ほど守備がタイトではありませんでした。

「森保は自身の哲学を保持し続けながら仕事をこなしている。3-4-3あるいは3-4-2-1システムを維持し続けて、昨日は伊東純也と中村敬斗を両サイドに配置する攻撃的なシステムだった。それは森保の攻撃への意志であり、両サイドから攻めるという決意の表れだった。両サイドに配置したのは、個の力で突破できる選手だった。伊東や堂安律、中村……。途中出場の斉藤光毅も同じタイプだった。昨日はプレーしなかったが三笘薫や久保建英も控えている。選手は揃っているし、内容的にも興味深い。結果だけから判断すべきではない。

　これは準備を進めるための試合であり、結果も決してネガティブではなかった。日本は敗れてはいないし、フラストレーションが溜まることも、自信を失うこともなかった。本番に向けて自信を深めていくための、小さいが重要な要素だ」

直近3試合がW杯なら敗退しているが

――W杯を戦うための武器が、特に攻撃において徐々に整いつつあるということでしょうか。

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