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南米実力国とドローは「残念な結果だが」トルシエ元監督がホメた“日本代表の3人”「サノとオガワがベンチを豊かに」「DFの彼も素晴らしい」
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/10/14 17:15
2-2で終わったパラグアイ戦、W杯に向けてトルシエはどう見たか
三笘薫をはじめ、今回も招集できなかった選手が何人かいた。森保の頭の中にはすでにチームがあり、中心となるおよそ15人の選手の名前は誰もが分かっている。
だが新形式のW杯では、選手構成をどれだけ豊かにできるかがとても重要だ。具体的には2つの異なるチームを作れるのが望ましい。それには経験を積んだ選手たちが必要で、そのための準備を今、彼はしている。他方で試合をどう終えるかも考えねばならない。つまりすべてのセクションで選手を揃える必要がある。
9月以降の3試合を振り返ると、メキシコ戦はこれまで戦ってきた選手を先発させたが、アメリカ戦は完全なターンオーバーで全選手を入れ替えた」
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――森保自身も述べていますが、メキシコ戦とアメリカ戦は異なる2チームを準備したということです。今回はグループ全体で2試合をどう戦っていくかを考えています。
「つまり選手が混ざり合ったチームで、そこには新戦力も含まれている。パラグアイ戦だと佐野や小川らがそうで、それはベンチをより豊かにするための作業だ」
彼も素晴らしかった…戦術・戦略的な仕事は重要だ
――左CBの鈴木淳之介はどうでしたか。彼もまた新戦力です。
「彼も素晴らしかった。彼らにプレーの機会を与えるのは、試合をスタートするために、チームが完璧に構成される必要があるからだ。他方で試合を終えるために、プラスアルファをもたらす選手も欠かせない。
日本はパラグアイに2度リードを許した。しかし運にも恵まれて、2度とも同点に追いついた。最初は小川、2度目は交代で入った上田綺世だった。それこそが森保が求めていたものだった。
前の選手は駒が揃っている。南野拓実、久保建英、堂安律、前田大然や上田、右には伊東純也、左は三笘、中村敬斗。中盤は遠藤航、守田英正、鎌田大地、田中碧……。チームの概要は誰もが知っている。だから活動の焦点はグループの枠をさらに広げること。スタメンでプレーできる選手を増やすために、多くの選手に経験を積ませることだ。
もちろん戦術・戦略的な仕事も重要で、チームはプレッシャーを受けることなく準備を進めているが、この3試合はアメリカには敗れ残るふたつは引き分けだった。W杯なら日本はグループリーグ敗退だが、これは親善試合であってW杯ではない。だが相手のレベルはアジアレベルとは異なっている」
――そこは大きな違いです。ブラジル戦の目的はどうなるでしょうか。〈つづく〉

