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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「欧州組の考えと代表のやり方のバランスを整える」長谷部誠コーチの“切り替え作業”もパラグアイ戦は間に合わず? ブラジル戦は「基本」に戻れるか
posted2025/10/14 11:01
所属チームと代表活動の「切り替え」のつなぎ役を買って出たという長谷部コーチ。本大会までの彼の働きがますます重要になりそうだ
text by

佐藤景Kei Sato
photograph by
Kiichi Matsumoto
今回の活動直前、長谷部誠コーチが代表に加わって以来、初めての取材機会が設けられた。その中で代表の現状を示す発言があった。それは今後、自身の果たすべき役割を問われたときだった。
欧州組の考えと代表のやり方のバランス
「自分もそうでしたが、代表に来る選手たちは、自チームのやり方とか成功体験とか、そういうものにすごくこだわりがある。それを代表が強くなるためだったら『こういうのもいいんじゃないか』『こういうのもあるんじゃないか』と話します。それは素晴らしいことだと思うけれど、代表には代表のやり方があるし、限られた時間の中で、できないこともある。
だから、そういうヨーロッパでプレーする選手たちが、それぞれやっているサッカーの良さを取り入れながらも、自分ができるのはそれを理解して『日本代表のやり方はこういうものがあるよ』と、選手たちとコミュニケーションを取ることかなと思っています。時に、選手のそういうものが強すぎて『もっとこうしたらいいじゃないか』とかあると思うんですけど、『いや、それはわかるけど、でも代表のやり方はこれで、時間が限られた中でやれるのは、これだよ』みたいなことを言えるというか、言うのは自分の役割かなと思っています。そういうチームのバランスみたいものを整える仕事も、自分にはあるのかなと」
ディスカッションの功罪とは
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特にヨーロッパの主要リーグでプレーしている選手はそれぞれが確固たる考えを持ち、プライドもある。同時に日本代表を強くしたい、少しでも良い方向に向かわせたいとの思いが強い。それ自体は決して悪いことではなく、むしろ歓迎すべきこと。実際、以前よりディスカッションの頻度が増したと、選手たちはポジティブに話す。
一方で、全員の意見を集約することはそれだけ難しくなる。森保監督が毎回、心を砕いているのもこの部分。選手の意見交換はチームの成熟に不可欠であるが、野放しのままだと、逆にチームに悪影響を及ぼす。

