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サンデーサイレンスでもディープインパクトでもなく…《日本競馬史上初の父子三代リーディング》種牡馬キズナの成功を示す“73.9%” 父ディープとの違い
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江面弘也Koya Ezura
photograph byKeiji Ishikawa
posted2025/10/24 17:01
2013年に日本ダービーを制したキズナ
「日本のチャンピオンサイアーの産駒は芝ではじまって芝で終わるのが多いが、キズナ産駒は芝が510勝で、ダートは288勝もしている。チャンピオンクラスってダートで使わないのに、これだけ勝っているんです。馬格がよくて、蹄の盤がしっかりしている。スピードがあって、筋力が強い。気性も前向きで、自分の体力に自信があるから、攻撃的なレースができるんです」
徳武はキズナが社台SSにきたときから「ディープの仔と思えなかった」ともいう。
「能力は感じていたけど、ディープの後継馬という気持ちではなかったです。馬のフィジカルが抜けている。ディープは線が細くて、きゃしゃなイメージがあって、万人が『いい馬ですね』とはいわなかった。でもキズナは世界中の人が見て、ケチをつける人はまずいない。母の父ストームキャットがでたなと。だから、外国の人がキズナを見て、『見た目と気性はほぼストームキャットだね』といっていました。おしりの形とか、ぜんぜんディープじゃないです。サンデーサイレンスでもない」
お手頃価格だった種牡馬のキズナ
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ストームキャットは北米リーディングサイアー2回の大種牡馬である。アメリカの種牡馬らしく早熟でスピードがあり、パワフルな産駒が多い。なんといっても50万ドル(当時のレートで約6000万円)で種付けしていた馬である。そんな大種牡馬に似ているキズナから、“ダート三冠”を狙うナチュラルライズのような名馬が登場したのは納得できるし、キズナはダート路線が確立された現在の競馬に適合した種牡馬ともいえる。
'16年から種付けをはじめたキズナは、1年めの種付け料は250万円と手頃な価格に設定された。ダービーのあとGIを勝てなかったこともある。ほかの種牡馬と違い、ディープインパクト産駒の種牡馬も産地にあふれていた。「それがいまとなってはよかった」と徳武はいう。
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