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【皐月賞馬】ゴールドシップはなぜあんなに愛された? 内田博幸「生きるか死ぬかぐらい…」、須貝師「本当に何をするかわからない」
posted2021/04/17 11:01
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Sankei Shimbun
雑誌「Sports Graphic Number」と「Number Web」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は2012年の皐月賞馬・ゴールドシップにまつわる3つの言葉です。
<名言1>
彼が走りたくなる気を探す、という感覚で乗っていました。
(内田博幸/987号 2019年10月3日発売)
◇解説◇
道中は最後方を走りながら、4コーナーで誰も通らなかった荒れた内をすくい「ワープした」とまで言われた見事なレース運びで勝った2012年の皐月賞。
鞍上は「ウチパク」の愛称でお馴染みの内田博幸。大井競馬で通算3153勝を挙げて2008年に中央競馬へと移籍し、わずか2シーズンで中央競馬のリーディング首位を獲得した実力派だ。
そんな内田に皐月賞での騎乗について聞いたところ、返ってきた答えが冒頭の発言だった。
「ゴールドシップは、知られてる以上にコントロールが難しい馬で、我が強く気迫も凄い。生きるか死ぬかぐらい気を張っていないといけない馬でした」と語る内田は、ゴールドシップに全てを委ねるという境地に行き着いていた。
「だから、作戦は考えていましたが決めつけることなく、ただ、ゴールドシップが行きたい気になったときに行かせよう、と」
あの圧勝劇は、名手の“達観”により導かれたものだったのだ。