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「あーすごいな」関田誠大が“後輩”石川祐希と初対決に本音…じつは今年5月に手術、男子バレー司令塔が新天地サントリーで目指すアップデートとは?
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byYuki Suenaga
posted2025/10/10 11:01
今季からサントリーサンバーズ大阪でプレーするセッター関田誠大
チームに合流したばかりの頃は周囲が遠慮しているところがあり、関田は「気を遣われています」と苦笑していたが、お構いなしに切り込んだのが、アウトサイドヒッターのデ・アルマス アラインだった。すぐに距離を縮め、練習前後はいつも2人並んで話しながらストレッチをしていた。アラインは屈託なく言う。
「めちゃくちゃいじってますよ。『5月のこと(サントリーが勝利した昨季のファイナル)覚えてるー? 負けちゃったなー』とか、『関さん、そろそろ32歳だね。ジジイだなー』とか、オレずっと言ってる(笑)」
関田のことを「ジジイ」呼ばわりできる若手はアラインぐらいだろう(アラインにとっては年上は全員「ジジイ」なのだが)。
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キューバ出身で、昨年日本国籍を取得した24歳のアラインは、物怖じしないただの若手ではなく、実はチームの空気を察して行動できるクレバーな選手。関田を早く溶け込ませるための毒舌だったのかもしれない。
次第に他の選手も気兼ねなく接するようになった。
髙橋塁は、「歳も離れているし、すごくオーラもあるので、最初は『どういう方なんだろうな?』と思っていましたけど、めちゃくちゃ気さくで話しやすい」と言う。
ペルージャ戦での手応え
そんな新天地のチームメイトと共にペルージャと戦った初戦の後、関田は手応えをにじませた。
「徐々に、今の僕たちのチームのアタッカーの特徴を知ることができたり、どういう場面でどういう選手を使うのがいいかというのがわかってきています」
そのペルージャ戦の「楽しかった」の中には、別の要素もあった。“石川祐希との対戦”である。


