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靭帯損傷で春高絶望…目標を失った高校生が“入院中”に奇跡の再会「たっちゃんはいつもポジティブでした」金蘭会マネージャーを救ったバレー日本代表
posted2026/01/25 11:01
7年ぶりに春高バレーを制した金蘭会高校。夏に大ケガを負った枩田七海(3年)はマネージャーとしてチームを支えた
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Hiroyuki Nakamura
冷静に、冷静に。
金蘭会のマネージャー枩田七海は、7年ぶりの春高バレー制覇の瞬間が迫っても手元のスコアを間違えぬよう正確に書くことだけを意識した。
だが、最後まで冷静を貫けるほど、まだ大人ではない。
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一昨年の王者・就実を相手に第1、2セットを連取して迎えた第3セットは終盤に追いつきデュースへ。2年生のアウトサイドヒッター中山沙也のスパイクでマッチポイントに達し、最後は相手のスパイクがラインを割った。優勝が決まると、枩田はたまらずベンチで立ち上がった。
『枩田にメダルをかけてあげたい』――そう、公言してきた主将・馬場柚希と2人で抱き合って、喜びを分かち合った。
「自分がケガをしてから、サポートという形でしたけど、みんなにできることは最大限やってきたので、結果で返してもらえたことはもちろんですけど『ありがとう』って言葉をかけてもらえて、すごく嬉しかったです」
満面の笑みで優勝の喜びをかみしめる。ただ、その数秒後、嬉し涙は悔し涙に変わった。
「でもやっぱりこの舞台に立ちたかった。選手として春高に出て、優勝したかったです」

