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「あーすごいな」関田誠大が“後輩”石川祐希と初対決に本音…じつは今年5月に手術、男子バレー司令塔が新天地サントリーで目指すアップデートとは?
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byYuki Suenaga
posted2025/10/10 11:01
今季からサントリーサンバーズ大阪でプレーするセッター関田誠大
東京、パリ五輪の代表セッターだった関田は、今年日本代表には参加せず、5月下旬に右足関節後方インピンジメント症候群、右足関節外側側靱帯損傷の手術を受けた。
2019年頃から痛みを感じていたが、このタイミングで手術に踏み切った理由をこう明かした。
「去年パリ(五輪)があったので。それが僕の中でメインのところだったので、一区切りという意味でも今が一番いいタイミングなんじゃないかということで。パリまでは(東京五輪から)3年しかなかったので、なかなか抜けられなかったですから。それに、現役生活はできるだけ長くやりたいので。骨がちょっと邪魔している部分があって、最近はそれほど痛みはひどくなかったんですけど、今後どうなるかわからないので、悩みを取り除いておきたいなと思って決断しました」
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入院、リハビリを経て、サントリーに合流したのは7月2日。それから1週間ほどして、ファイナル以来約2カ月ぶりにボールを触った。
「打ちやすい」新しい仲間も賞賛
7月末に取材に行くと、まだコンビを合わせ始めたばかりにも関わらず、スパイカー陣が気持ちよさそうにスパイクを打ち込んでいた。
「めちゃめちゃ合わせにいってます」と関田はほくそ笑んだ。
「僕ももう(11月に)32になるんで(笑)、ある程度『こうすればいい』というのはあるんです。あとはもう見て、感じて、上げてる。それは僕の仕事というか。コンビはセッター次第なんで、必死です」
ミドルブロッカーの佐藤謙次はこう語っていた。
「ここに上がってくるな、というのがわかりやすいし、打ちやすいです。関田さんの中で『こうしたほうがいいかな』というのが浮かんでいるんだと思うんですけど、『速くする?』『高くする?』『テンポどうだった?』とか、的確にパパパッと聞いてくれる。1、2回のやり取りで、パッと合わせてくれるという感じですね」
アウトサイドヒッターの高橋塁も、「引き出す能力がすごい。一人一人をすごく観察して、『どうやったらそのスパイカーの100%を引き出せるんだろう?』と考えているのを、練習の中ですごく感じます」と感嘆していた。
日本代表では毎年のように新しい選手が加わる中、短期間でコンビを合わせなければならない。所属チームに戻っても、すぐにコンビを合わせてリーグに向かう。その生活を長年繰り返してきた賜物だろう。


