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「ダイさん!私を出して!」ルーキーの直談判がチームを変えた? “呪縛を解いた”大阪マーヴェラスが「SVリーグ連覇」を宣言する理由 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byYohei Osada/AFLO SPORT

posted2025/10/08 11:00

「ダイさん!私を出して!」ルーキーの直談判がチームを変えた? “呪縛を解いた”大阪マーヴェラスが「SVリーグ連覇」を宣言する理由<Number Web> photograph by Yohei Osada/AFLO SPORT

SVリーグ初代王者に輝いた大阪マーヴェラス。キャプテン田中瑞稀は「連覇」を公言した

 先に種明かしをすれば、マーヴェラスは44試合あるレギュラーシーズンを37勝7敗で駆け抜け、1位でフィニッシュしている。チャンピオンシップのファイナルではNECレッドロケッツ川崎に勝利して初代女王の座に就いた。

 あの負けがあったから、強くなれた。

 マーヴェラスに限らず、勝利したチームが「敗戦」を転機と語ることは珍しくない。だが、田中が言う「ホッとした」という表現はあまり聞いたことがなかった。真意をたずねると「うーん」と少し間を置いてこう答えた。

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「VリーグからSVリーグに変わる前の年(2023/24シーズン)、レギュラーラウンドを全勝したのに、最後の最後で負けたんです。優勝する、何連覇もするような強いチームになるためには勝ち続けなきゃならないって自分たちで暗示をかけて戦ってきたのに、どれだけ勝ち続けても最後の一番大事なところで勝てなかった。今思えば、勝つことが目的だったから、もっと見なきゃいけない課題や改善点を、見つけられていなかったのかもしれない。決勝で負けて初めて気づきました」

 ファイナルでの敗戦とシーズン序盤の連敗は比重が違うように思える。だが、結果的にシーズン中に喫した唯一となった連敗は、むしろマイナスよりもプラスに変わったと田中は続ける。

「終わった瞬間からみんなが次に向けて話をしていたんです。ここが悪かったよね、これができていたら違ったよね、と発する言葉も前向きだった。負けることは悪いことじゃなくて、負けたからこそ見えるものがあって、自分たちがやること、やるべきことがわかったのがすごく大きかった。だからあの負けで、ホッとしたんですよ」

【次ページ】 「私を出して」酒井監督に直談判した宮部愛芽世

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