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佐々木朗希のナゾ「なぜ落ちた球速が急激に上がった?」ロバーツ監督も口にした“重要人物”の正体…リリーフ崩壊ドジャースを救う“電撃復帰”ウラ側 

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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posted2025/09/25 17:02

佐々木朗希のナゾ「なぜ落ちた球速が急激に上がった?」ロバーツ監督も口にした“重要人物”の正体…リリーフ崩壊ドジャースを救う“電撃復帰”ウラ側<Number Web> photograph by Getty Images

メジャー復帰を果たした佐々木朗希。最速も160キロを上回り、球速低下の懸念も払拭した

超ユニークなコミュニケーション術

 カリフォルニア州にあるウエストモント・カレッジの大学時代にコミュニケーション学を専攻したヒル氏は、投手を指導するときに複雑な情報をいかにわかりやすくかみ砕いて伝えられるかが何よりも大事だと実感し、大学で学んだことをコーチングに大いに役立てたという。同大学公式サイトの卒業生インタビューで同氏は「グレッグ・スペンサー教授の修辞学の講義に大きな影響を受けた。ものごとの細部を深く徹底的に突き詰めて考えること、その努力を絶え間なく続けることがいかに有効であるかを学び、話の聞き方や考え方、自分の考えをどう表現するかを教えられた。仕事のために、今でもそのとき勉強したテキストを読み返す」と語っている。

 そのコミュニケーションスタイルは、実にユニークだ。

 昨年1月、ドジャース専門メディア「ザ・ドジャース・ブリード」のインタビューでヒル氏はこう話している。

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「私が指導をするとき、相手の選手には前もって必ず、私にどんな風に話をしてほしいか、どんな風に指導してほしいかを聞いている。厳しく叱るような感じがいいのか、それとも優しく接してほしいのか、細かく複雑な情報をすべて提示した方がいいのか、それとも簡単にわかりやすく説明すればいいのか、といったことだ。とにかく極端なくらい選手個々に合わせたやり方にしている。複雑で細かいデータをもとに指導するには、それがベストだからだ」

 相手に合わせてどんな指導者も演じ分けられるというのは、役者でもなければ恐らく無理だ。しかしヒル氏には、それができてしまうのだという。

 さらに日本人投手への指導にも、実績があった。

 ドライブラインのスタッフだった時期に、アリゾナ州で秋季キャンプをしていた日本ハムの投手を指導した経験があり、2019年の自身のインスタグラムの投稿でこうつづっている。

「彼らにとっても初めてのドライブラインで、私にとっても英語を話さない人たちに指導するのは初めてのこと。短期間だったが、一緒に取り組み飛躍的な進歩を実現できて、これ以上ないほど素晴らしい時間だった。最高の通訳さんには大感謝」

 ピッチングの専門家として優れているだけでなく、言葉の壁もいとわず、とてつもないコミュ力の持ち主。そんな指導者が、ドジャースにはいたのだ。佐々木にとっては、実に幸運なことだった。

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