「ドジャースは去年と何が違うのか？」終盤戦もたつきの原因と打開への秘策をNHK解説者・小早川毅彦氏が提案「大谷翔平をWBCのときみたいに…」

　今季終盤にきて、ドジャースはオリオールズやパイレーツ、ロッキーズといった下位球団に取りこぼしが続きました。同地区ではパドレスだけでなくジャイアンツも迫ってきて、三つ巴に近いような状況になっています。昨シーズンの優勝と比べて、何が違うのかを改めて考えてみましょう。

先発投手はむしろ頑張っている

　第1回では山本由伸投手の“ノーヒットノーラン未遂”のことをお話ししましたが、その2日後にはタイラー・グラスノー投手が7回“ノーヒットワンラン”の投球を見せて勝利につなげました。昨シーズンは終盤に先発投手が足りなくて、ポストシーズンでもブルペンデーがたびたびあったことを思えば、実は今季ここに来て先発陣はむしろ頑張っているんですね。

　完全にローテーションの中心になっている山本に、復活して10勝を挙げているレジェンドのクレイトン・カーショー。故障続きだったグラスノーとブレイク・スネルもようやく戻ってきて、若いエメット・シーハンが先発に食い込んでいます。そしてもちろん、大谷翔平がピッチャーとして戻ってきました。そう考えると、先発の頭数は揃っていて、パドレスにも見劣りしません。

ドジャースが去年と違うのは……

昨年は大谷が盗塁を重ねることがチームに一層勢いを与えていた　©Nanae Suzuki

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　それでは去年と何が違うのか。それはズバリ言うと「大谷の50-50の盛り上がりがない」ことです！

　いや、今季もすでに打者としては48本塁打を打っていて、ローテーション投手としても回っているんですから、大谷は今季も凄いんですよ。そこは文句のつけようがありません。ただ、昨シーズンの今頃は、「50本塁打50盗塁」という前人未到の信じられないような記録が視界に入ってきて、チームにも勢いがついていたと思うんです。大谷が史上初の偉業をやっているということそのものが、チーム全体にいい影響を生んでいたんですね。

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