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6年ぶりタイトル王手のマルク・マルケスだけじゃない! 日本勢が揃って今季ベストを狙う日本GPの見どころ
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遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2025/09/25 17:01
サンマリノGPで今季11勝目、通算73勝目を挙げたマルケス
前戦サンマリノGPでは「(自身)最速の転倒になった」と本人が語ったように、時速260kmの猛スピードで転倒して右手と左足を負傷した。日本GPに向けてケガの回復は順調で、本番では期待に応える走りを見せてくれるはず。
Moto2時代の小椋の日本GPの結果は、22年が優勝、23年は2位。24年は不安定な天候のもと2位となり、タイトル獲得に大きく前進して日本のレースファンを大いに喜ばせた。ステップアップした今季のベストリザルトは、開幕戦タイGPのスプリント4位&決勝5位。その後は苦戦が続いたが、後半戦に入った第15戦カタルーニャGPでは6位でフィニッシュした。得意のもてぎではシングルフィニッシュはもちろんのこと、初めての表彰台にも期待したい。スターの条件を「ファンの期待に応えること」とするならば、小椋は十分なスター性を秘めている。
MotoGPクラスには中上貴晶がワイルドカードで参戦する。中上は昨季限りで現役を引退し、現在はホンダのテストライダーとしてMotoGPマシンの開発に専念しているが、今季はすでに3戦に出場しており、不安定な天候の中で行われたフランスGPでは6位でフィニッシュするなど大活躍。中上が担当するテストはもてぎで行われているだけに、今季たっぷりと走り込んだサーキットでどんな走りを見せてくれるのか楽しみだ。
Moto2、Moto3の日本人ライダー
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Moto2クラスでは、佐々木歩夢(RW-Idrofoglia Racing GP)が2年目となる今季のベストリザルトを目指す。シーズン前半戦はマシンのセットアップに苦戦したが、中盤戦以降はポイント獲得圏内を確実に走るようになった。ここまでのベストレースはドイツGPの9位。さらなる上位での入賞を狙う。
Moto2クラスでまだポイント獲得のないルーキー國井勇輝(出光ホンダチームアジア)は、もてぎで今季ベストリザルトを目指す。マシンのセットアップに苦しみ、本来のパフォーマンスを発揮できないまま後半戦を迎えたが、走り慣れたもてぎでは昨季の全日本で披露したパフォーマンスを再現する意気込みだ。
Moto3クラスでは現在総合9位の古里太陽(ホンダチームアジア)が、今季3回目の表彰台獲得と念願の初優勝に挑む。今季はパフォーマンスで優位に立つKTM勢の中で孤軍奮闘するレースが続き、限界を超えて転倒するレースも多かったが、ホームGPでは今季ベストレースに期待したい。
Moto3クラス総合10位の山中琉聖(MTヘルメッツ-MSI)もホームGPに闘志を燃やす。今季は初PPをはじめ3回のフロントロー獲得と速さを磨き、2位と3位で1回ずつ表彰台を獲得した。日本GPでは表彰台の頂点に挑む。今年の鈴鹿8時間耐久レースではレベルの高い走りで注目を集めただけに、ファンの注目度は高い。
Moto2とMoto3はなかなか注目を集めることがないが、日本人ライダーたちは着実に力をつけている。マルクの戴冠だけでなく、彼らが母国で見せる奮闘にも注目してほしい。


