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引退のロッテ・美馬学「人生で一番重い“ありがとう”をもらった」2013年楽天V…星野仙一の“鬼の形相”が崩れた「いま“闘将”に伝えたいこと」
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byNaoya Sanuki
posted2025/09/26 11:08
引退を決めた美馬学。楽天時代の恩師・星野仙一監督との思い出は尽きない
月日は流れた。勝負の厳しさを教えてくれた闘将は2018年1月4日に死去した。70歳だった。そして美馬は19年オフにFAでイーグルスからマリーンズに移籍。20年と22年には二桁勝利を挙げるなどローテーションの中心的存在として活躍。プロ通算80勝(マリーンズで29勝)の実績と共に2025年シーズン限りでユニホームを脱ぐ決意を固めた。
9月18日、古巣イーグルスとの試合前にZOZOマリンスタジアムで行われた引退会見で星野元監督について問われると「(プロとして)こんなに長くできました、と報告したい。星野さんも多分できると思っていなかったと思う。驚いてくれるのではないかなと思う」と感慨深げに語った。
現役引退…夕陽に呟いた言葉
会見を終えグラウンドが見渡せる控室に戻ると、もう夕陽が差し込んでいた。秋を感じさせる奇麗な空が広がり、トンボが飛んでいた。マリーンズとイーグルス、両軍の後輩選手たちが試合直前の練習をする姿を優しい表情で見つめながらつぶやいた。
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「急に実感が湧いてきました。寂しさとか、もうマウンドで戦えないんだなあとか。引退試合までの残りの期間をしっかりと味わいながら過ごさせていただきます」
9月30日のイーグルス戦で美馬は引退試合に臨む。プロ通算267試合目のマウンドで生き様を表現する。


