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三笘薫でも久保建英でも堂安律でもなく…トルシエのW杯日本代表イチオシは“192cmの大器”「課題は3バックだけでなく4、5バックもだ」
text by

田村修一Shuichi Tamura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/09/21 11:02
三笘薫、久保建英、堂安律ら近年の日本代表コアメンバーだけでなく……トルシエが期待を寄せる選手とは
「もちろん試合をスタートするグループが安定していることが前提だし、交代出場する選手たちも重要だ。メキシコ戦の伊東純也には驚いた。後半途中からピッチに入った彼が、終盤の日本にプラスアルファをもたらした」
W杯スタメンは分かっている。期待したいのは…
――昨シーズンの伊東は調子を落としていましたが、ランスからゲンクに戻り復調した感があります。しかしメキシコ戦のスタメンとアメリカ戦のスタメンでは、チームとしても個としても、歴然としたレベルの差があるわけですね。
「答えはウィとノンだ。メキシコ戦のチームは長く一緒にプレーしているから、そこにはオートマティズムが確かに存在するが、アメリカ戦のチームは同じようなオートマティズムを作り出せてはいない。ふたつのチームには、そうしたコレクティブな違いがある。完全なターンオーバーですべての選手を入れ替えたのは、選手に経験を積ませ情報を得るために、森保一監督にとっては必然だったのだろう。
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日本の場合、チームの主軸は固まっている。誰がスタメンに名を連ねるかは、ほぼすべてが分かっている。
中盤では遠藤航、守田英正、田中碧、鎌田大地の4人は外せないし、守備ラインでは板倉滉や町田浩樹、伊藤洋輝、冨安健洋らが入るだろう。左サイドには三笘薫や中村敬斗、長友佑都だ。そして右は堂安律と伊東純也がいて、さらに長身(192cm)で、先ほども好きな選手だと話したように……望月ヘンリー海輝にも可能性がある。
攻撃は久保建英や伊東、南野拓実、前田大然……。グループを構成するメンバーは誰の目にも明らかだし、スタメンが誰になるかもほぼ分かっている。GKは鈴木彩艶がメキシコ戦で安定したプレーを見せた。彼は足元のプレーがしっかりしている。アメリカ戦でプレーした大迫敬介も悪くなかった」
「本物のストライカー不在を補える」と太鼓判なワケ
――大迫は後半、ビッグセーブを連発しました。
「とはいえ正守護神は鈴木だろう。第3キーパーはシュミット・ダニエルではないのか。彼はずっとチームに入っているのか」
――いいえ、彼はこの夏にベルギー(KAAヘント)から日本(名古屋グランパス)に戻り、今回は代表から外れています。大迫が第2GKで、第3GKは鹿島アントラーズの早川友基でした。
「いずれにせよ確実に選ばれるのは先に挙げた選手たちで、彼らが日本代表の中核だ。守備にも中盤や攻撃にもそれなりの人材が揃っているが、本物のストライカーは不在だ」
――それこそ日本が抱える問題のひとつです。

