テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
ドジャースが不穏でも大谷翔平はどこ吹く風「ショウヘイ、モノマネいいね」熱血ベシアに“山本由伸のやり投げ”…超才能は二刀流だけでない
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byIcon Sportswire/Getty Images
posted2025/09/20 17:02
ドジャースが地区優勝に向けて苦闘している中で、大谷翔平が見せた“二刀流だけでない才能”とは
半袖姿の大谷は韓国出身の内野手・金慧成(キム・ヘソン)に向かって「SAMUI(サムイ)」と何度も日本語で伝えながら、笑顔で右翼後方へ向かっていった。その後は前カードと同様に走塁練習に参加した。前回は二塁走者としての打球判断だったが、この日は一塁から。アンディ・パヘスとテオスカー・ヘルナンデスの両外野手も加わり、何度もタッチアップやハーフウェーからのスタートを繰り返していた。レギュラーシーズン以上に1球で勝敗が決まる勝負のポストシーズンに向け、今後も欠かせない練習となりそうだ。
山本の7回1失点、10奪三振の快投も実らずサヨナラ負けを喫し、連勝が4で止まった前夜から一夜明けた13日。試合前のクラブハウスでスミスが複数の米メディアからの取材を拒んだ様子を見ていて嫌な予感がした。直後にスミスの負傷者リスト入りが発表。デーブ・ロバーツ監督は「1週間ほどで痛みが落ち着くと期待している」と軽傷を強調したが心配は尽きない。大谷の次回登板については「いくつか確認したいことがある。試合後に発表する」とやはり慎重な姿勢を崩さなかった。
ベシアにイエーツ…モノマネ連発
そんな不穏な空気が流れる中、大谷だけはどこ吹く風だった。
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全体練習中に外野でキャッチボール中には救援陣の輪に入り、左腕アレックス・ベシアの代名詞ともいえるド派手なガッツポーズや、右腕カービー・イエーツのセットポジションでの首の傾きのモノマネを本人らの前で披露。大爆笑を誘い、雰囲気は自然と和んだようだった。
練習後のベシアに感想を求めると、こんな風にうれしそうにしていた。
「翔平は“あのガッツポーズのエナジーが好きなんだ”と言っていた。プロ入り前くらいから続けているガッツポーズだけど、あのモノマネはいいね」
機会があれば、イエーツにも是非感想を聞いてみたいものだ。
今季最長の138.4メートル弾
サンフランシスコを本拠地とするNFLの名門49ersとのコラボレーションデーとして開催された一戦。現役時代にスーパーボウル4度制覇、MVP3度で「アメフトの神様」と呼ばれたジョー・モンタナ氏(69)が観戦し、試合前にはグラウンドでマイクを握ってスタンドから大きな歓声を浴びた。元祖二刀流ベーブ・ルースは「野球の神様」と呼ばれていた。
きょうは大谷がきっと何かやってくれるのではないか。こじつけかもしれないが、そんな思いを胸に試合を見守っていると、期待通り「BEAT LA(ロサンゼルスを倒せ)」に沸く敵地を黙らせた。

