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核心にシュートを!BACK NUMBER
「無視はしないですよ。ただ…」なぜ日本代表MF遠藤航は監督指示、セオリーから外れた好判断を名門リバプールでもできるか〈マンC戦で発動〉
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/09/05 17:00
日本代表MF遠藤航は名門リバプールでクローザーとしての役割を確固たるものにした
映画館のスクリーンを借りきり、プレミアリーグのライツホルダーであるU-NEXTの協力を仰いで試合映像を使い、冨安健洋をゲストに招いてプレー解説を行った。昨シーズンのリバプールにおいて遠藤は『クローザー』の役割を務めた。象徴的だったのは、特定の選手をマンツーマン気味にケアする仕事の多さだった。その点について遠藤はイベントでこう言及した。
「監督から『あの選手にマンツーでつけ』みたいなことを結構言われたりするんです。それを無視はしないですよ。ただ……」
遠藤は話を続けた。
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「俺は他のスペースを埋めながらも、いざマンツーマンでつく選手にボールが入ったら、そこにいける自信があるから、(マークにつくべき選手との間に)ある程度スペースを開けて守っていたりもするんですよ。その方が後ろのポジションの選手だったり、チームを助けられると思っているから」
アルネ・スロット監督も最初は、遠藤の個人的な判断に少し不安を覚えていたそうだ。マンマークにつくべき選手から「少し距離を置く」アクションに対して、監督の意見を直接伝えられたりもしたという。
強敵マンC相手にも生きた“好判断”とは
しかし、遠藤は役割を淡々と“こなそう”とは考えなかった。むしろ、遠藤はそういうところにやりがいを見出していった。生クリームで包まれたケーキの上に、極上のイチゴを見つけてきて、乗せるような仕事があるのだと。その背景には、求められている以上の仕事をこなすだけのスタミナと個人戦術が備わっているという自負があったから。
そんな判断が生きた試合の代表例が、プレミアの覇権を争う強敵マンチェスター・シティ戦だったという。一体どういう好判断があったのか……。〈つづく〉

