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甲子園の風BACK NUMBER
「通いだからこそできることも…」甲子園“広陵事件”で話題の野球部「寮生活問題」…寮のない超強豪はなぜ勝てる? 保護者に栄養指導、アプリの活用も
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph byNanae Suzuki
posted2025/08/31 11:01
大阪の超強豪校・履正社野球部を率いる多田晃監督。甲子園常連校としては珍しく、履正社は寮を設けていない
ただ、もちろんそれぞれが家庭に戻って過ごす時間が長い分、試合に向けた情報や意思の疎通などの面で、選手たちといかに心を通わせるかは寮生活の学校と比べてより重要になってくる。
そこで活用しているのが「スプライザ」というアプリだ。
意思疎通には…グループLINEやアプリを活用
対戦相手の動画や、自チームの試合や練習で撮影した動画をアプリに取り込み、チームのグループLINEにアップする。そうすることで、各自で好きなタイミングに閲覧できるようにしている。
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「電車で移動中やバスの中とか、好きな時間に各自で見ることができるので、そこで各自で確認して情報を共有しています。確かにそれぞれが離れてはいますが、そこで自分でしっかり見て、次の行動に移せないとうまくならないですからね」
履正社は校舎と野球部グラウンドがバスで30分ほどの距離にあるため、平日は授業を終えるとグラウンドへのシャトルバスで移動する。練習が終わればそのバスに再び乗り込み、学校や近くの駅に立ち寄り、それぞれが帰宅している。帰りのバスは最終時間の設定があるため、全体練習を終えるのはだいたい夜の8時頃になる。
自宅に戻れば自分の時間もある。そこで各自で素振りをしたり、投手ならシャドウピッチングをしたり、それぞれがやるべきことを自発的にこなせるか。
「自宅に帰っても自主的にトレーニングしたりスイングできるようになれるかです。そういう意識を持つことで今後、変わっていくんだよ、という話は生徒にはよくしています」(多田監督)

