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「日本の選手は質問しない」女子バスケ新HCコーリー・ゲインズが壊した“壁”とは? “19歳の主張”を即採用「ココ、思っていることを言いなさい」
posted2025/08/22 11:04
バスケットボール女子日本代表HCコーリー・ゲインズ(60歳)
text by

宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Fred Lee/Getty Images
今年2月にバスケットボール女子日本代表ヘッドコーチに就任したコーリー・ゲインズは、「もう一度世界からリスペクトを勝ち取る」ことを目標として掲げた。
2021年の東京オリンピックで銀メダルを獲得して世界を驚かせた女子日本代表だったが、その後、2022年のFIBAワールドカップで9位、2024年のパリオリンピックでは12位と低迷していた。
目標に向けて一歩目となる7月のFIBA女子アジアカップで、日本は準優勝を果たした。決勝戦でオーストラリア相手に惜敗して目標としていた優勝は逃したものの、準決勝では2年前の前大会決勝で敗れたライバル中国にサイズの差を乗り越えて勝利をあげるなど、今後への手応えを掴んだ大会となった。
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ヘッドコーチ就任から約半年。ゲインズはどういう思いで、どんな方法でチームを築こうとしているのだろうか。インタビューでその一端を明かしてくれた。
「サイズを言い訳にしません」
チームが最初に集まったとき、ゲインズは自分のフィロソフィーについて選手たちにこう話したという。
「私たちはチームとして共に勝つ必要があります。お互いのためにシュートチャンスを作り出し、共に守る。サイズで世界に劣る私たちにとって、それが相手と競うことができる唯一の方法です。相手チームのほうが背は高く、体格もいいですが、それは克服できること。それを言い訳にはしません」
実際、世界と戦うときにサイズの差をどう補うのかは、日本代表にとって永遠の課題だ。ゲインズは、そのためには革新的なことを取り入れ、相手チームがやりにくいバスケットボールをすることの必要性を語った。速いペースでの攻撃。変幻自在に変化するディフェンス。相手にとっての「カオス(混沌)」を作り出すことが必要だった。

