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「日本の選手は質問しない」女子バスケ新HCコーリー・ゲインズが壊した“壁”とは？ “19歳の主張”を即採用「ココ、思っていることを言いなさい」

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宮地陽子Yoko Miyaji

photograph byFred Lee/Getty Images

posted2025/08/22 11:04

バスケットボール女子日本代表HCコーリー・ゲインズ（60歳）

　ゲインズは田中の話を聞くと、その夜、試合のビデオを見返してみた。相手ディフェンスがオールコートでプレッシャーをかけてきていたときには田中がインバウンドパスを入れることになっていたため、そのプレーと、センターがスローインしたときのプレーを比べてみたのだ。

「実際に映像で見てみたら、彼女が言っていることが正しかったんです。彼女がインバウンドパスをしたほうが倍速かったんです」とゲインズ。

　早速、翌日にチームの前で「ココのアイディアで行こう」と提案した。19歳の選手の意見を取り入れたことに選手たちは驚いたというが、「でも、彼女が正しかった」とゲインズはあっさりと認めた。コーチだからといって常に正しいとは限らない。そのことをゲインズはわかっていたし、選手たちにもわかってほしかった。

　実際、変更後の中国戦、オーストラリア戦ではその効果が抜群で、違いは大きかった。

「こういうことがあるから、私は選手たちにコミュニケーションを促すんです」

　合宿開始から約2カ月という短期間でチームに新しいカルチャーとアイデンティティをもたらしたゲインズ。後編では彼が過去にどんな経験をし、誰からコーチングを学んできたのかについて詳しく聞いてみた。〈後編に続く〉

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