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「ビビってんのか?」甲子園の優勝投手に“まさかの叱咤”…U-18日本代表「史上初の世界一」はナゼ達成できた? “親分肌の名将”の驚愕秘話
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byTadashi Shirasawa
posted2025/09/13 11:02
春夏通じて38回の甲子園出場している明徳義塾・馬淵監督。2023年の夏、高校日本代表を率いてU-18W杯の初優勝に導いた
この回想はかなりマイルドに加工されている。大会直後に横浜高校の緒方漣を取材した際、そのとき馬淵は「ビビってんのか?」と高橋に軽く詰め寄ったと話していた。高橋に確認すると、こう首肯した。
「そういう感じでしたね」
馬淵は、よくも悪くも直情型の監督である。緒方は、こう苦笑いしていたものだ。
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「練習試合でバントを失敗したら『緒方、そんなんやってたら使えんぞ』って。会ってまだ3日目なのに、そんなにズバッと言われるんだ、って思いましたね」
慶応、仙台育英…高校野球界が変わった?
2022年夏、自主性を前面に打ち出す仙台育英が優勝した。続く2023年夏は「エンジョイベースボール」を標榜する慶應が優勝。仙台育英を指揮する須江航も、慶應を統率する森林貴彦も、従来の強豪野球部の監督像とはかけ離れていた。丁寧な語り口や豊富なボキャブラリーは、どちらかというと会社の経営者を彷彿とさせた。

