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野球クロスロードBACK NUMBER
「大阪の高校は強いのかな、と思いましたけど…」甲子園で大阪勢が45年ぶり春夏“勝利ナシ”の衝撃…対戦相手の「大阪出身」エースが感じたリアル
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph bySankei Shimbun
posted2025/08/13 11:03
大阪勢18年ぶりに初戦で姿を消すことになった東大阪大柏原ナイン。強豪ひしめく大阪勢が春夏未勝利で終わるのは実に45年ぶりの事態だった
初回から力任せに投げることなく、スライダーやカーブといった変化球を低めに集めることを心がけながら相手打線を封じていく。
エースとしての泰然自若なマウンド捌きは、バッティングでも貫かれた。
1回、2死一塁で回ってきた第1打席。相手エース・川崎龍輝の高めのスライダーを捉えライト上空に舞い上がった打球が、甲子園特有の浜風に押し戻されフェンス際で捕られてしまった。この打席で「低く、強い打球を打とう」と自分に言い聞かせたことが、5回のレフト前への2点タイムリーに繋がった。
エースで、4番で、キャプテン…大黒柱が躍動
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相手の東大阪大柏原は、キャプテンでキャッチャー、本来は4番バッターと、こちらも大黒柱の竹本歩夢が、数日前の練習で左手を負傷した影響で途中交代してしまったとはいえ、6安打、無四死球の完投劇。打っても3打数1安打、2打点と4番バッターでも役割を果たした。
大仕事をやってのけても、広瀬は冷静だ。
「エースで4番ということで責任はもちろんありますけど、そこにこだわりがあるわけではないです。ただチームが勝てばいい、という気持ちでプレーしています」
尽誠学園を甲子園初出場から2度のベスト4と強豪へと育てた元監督の大河賢二郎が、広瀬に“レジェンドOB”を重ねている……そう教えてくれたのは、現監督の西村太だ。
「『広瀬は宮地とかぶる』と言っていますね――」
<次回へつづく>

