「キーパー、指、裂けとったからね」衝撃の破壊力…釜本邦茂が“史上最高のストライカー”になるまで「修羅場でも絶対に狂わない」「恐ろしい後輩」 

　そして、少なくないサッカー好きの興味と疑問、カマモト、現在の代表にあってゴールを決められるか。

「そりゃあ昔より、まわりに人がたくさんおるわね。ゴールキーパーの体格と技術も伸びた。しかし、釜本が自分の型に入ったら点を獲りますよ。いまの代表にも、いざ修羅場になるとタッチの粗くなる選手がおる。釜本にはそういうところがなかった」

　釜本邦茂その人にも確認しておく。あなたなら、モダンなサッカー、あの、せわしない人ごみでも……。

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「シュートいうのは、ボールひとつ通れる幅があったらええわけやから」

　質問と同時にネットは揺れた。

ベッケンバウアーにも絶対に負けない

　そもそも勝負に絶対はあるまい。どちらも必死なのだ。オマーン国の公務員選手だって日の出ずる国の高額所得者を打ち負かしかけた。数字の並ぶシステムはシステムであって、力関係の推移によっては形を変える。絶対でありえぬ営みをゴールという絶対に近づける。それがサッカーかもしれない。

　絶対の求道者、釜本邦茂は言った。

「こうなれば絶対に勝てる。ベッケンバウアーと向き合っても絶対に負けない。極意。そういう絶対の型をつくらなくてはいけない」

　絶対。絶対に。絶対の。ストライカーとは「絶対の結末」への最接近を許されし者なのである。

〈第2回に続く〉

#2に続く

「釜本を育てる…それがサッカー界の総意となったわけや」釜本邦茂は何がスゴかったのか？ ライオンに憧れた少年にあった“もうひとつの才能”

#3

「将来、楽しみかもわからんね」20年前、釜本邦茂が名指しで褒めた“ある選手”とは？“天才少年カマモト”が史上最高のストライカーになれた理由

#2

「釜本を育てる…それがサッカー界の総意となったわけや」釜本邦茂は何がスゴかったのか？ ライオンに憧れた少年にあった“もうひとつの才能”

#1

「キーパー、指、裂けとったからね」衝撃の破壊力…釜本邦茂が“史上最高のストライカー”になるまで「修羅場でも絶対に狂わない」「恐ろしい後輩」